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虫歯の進行を自力で止める1-1 ~押さえておくべき虫歯の基礎知識 ①

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1. 虫歯が進行すると


現在の歯科医学の常識では、虫歯というものは、ごく初期のものを除くと、治るということはありません。
つまり、一度、歯に穴が開くほど大きく進行すると、穴が埋まって元に戻ることは不可能ということです。

もちろん、虫歯を削って詰め物をすれば、進行はそこで止まります。
しかし時間が経つと、歯と詰め物の間に虫歯が発生して隙間ができることがあります。
そして、気づかぬうちに虫歯による隙間が次第に深くなり、詰め物の下にまで来たり、エナメル質(歯の表面の層)の下にある象牙質まで侵食される危険があります。

象牙質はエナメル質より柔らかく、虫歯の進行は速まるので、詰め物の下で虫歯が拡がってしまいます。
しかも、普通の歯磨きでは詰め物の裏側までは歯垢の除去ができないので、歯磨きの効果は薄くなります。
象牙質は神経の上の層なので、ここで虫歯が拡がると王手です。

虫歯が歯の中心にある神経にまで達すると、最悪の場合、神経を抜くことになります。
歯の神経は血管と絡まりあった「歯髄」という組織で、歯に栄養を供給しています。
なので、神経を抜くと、その歯はもろくなり、いずれ欠けたり割れたりします。割れると、その歯は抜くというのが、現在の歯科治療の一般的な対応のようです。

たとえ虫歯が詰め物の下や象牙質まで来ても、歯と詰め物の隙間を通って虫歯の表面(または虫歯菌)に働きかけ、これを食い止める薬剤などは、ないのでしょうか。

そこで、虫歯の進行の阻止に役立つ可能性のあるものを探してみたところ、いくつか見つけることができました。
このブログでは、それをご紹介するとともに、当ブログ管理人が使ったり実践してみた結果もお知らせして参ります。

ただし、その前に、虫歯のについての基礎的知識からご説明いたします。
というのも、虫歯の発生や進行の速さは食習慣や体質などによって左右されるので、基礎知識に基づいて食習慣を改めたり、体質や虫歯の状況によって対応を変えたり、さらには自力での進行阻止を断念せざるを得ない場合もあるからです。

まずは虫歯が発生する過程を確認しておきましょう。



2. 虫歯ができる過程


① 口の中でミュータンス菌という虫歯菌が砂糖を取り込むと、不溶性グルカンと呼ばれる粘着質の物質をつくります。

② 不溶性グルカンが歯の表面に付着すると、そこにミュータンス菌のほかラクトバチラス菌という虫歯菌をはじめ様々な菌が入り込んで増殖し、菌とその代謝物のごちゃ混ぜ状態になります。それが歯垢です。
歯垢は「プラーク」とか「バイオフイルム」とも呼ばれますが、実体としては同じです。
 参照⇒「プラーク」と「バイオフィルム」と「歯石」の違い 東京国際クリニック/歯科

③ 飲食をすると、歯垢の中の虫歯菌は砂糖やそれ以外の糖類を代謝してをつくります。この酸によって歯垢の中が酸性になると、歯の中からカルシウムイオンとリン酸イオンと水酸化物イオンが歯垢内に溶け出してしまいます。それが「脱灰」という現象です。

④ 歯が脱灰しても、唾液に含まれる重炭酸塩やリン酸塩が歯垢内の酸を中和します。これによって、カルシウムイオンとリン酸イオンと水酸化物イオンが再び歯に取り込まれます。
また、これらのイオンは唾液中にも含まれていて、歯は修復されます。それが「再石灰化」です。

⑤ しかし、
・甘いお菓子やジュースなどをダラダラと、または日に何度も飲み食いすることが多い
・歯磨きが不十分で歯垢が多く残っている
・体質的に唾液の緩衝能(口の中が酸性に傾いたときに、これを中和する能力)が低い、または唾液の分泌量が少ない
などの場合は、脱灰に対して再石灰化が追いつかなくなり、虫歯が発生・進行します。



3. 糖類の虫歯リスク


以上のことを踏まえると、口の中に糖類が存在しなければ、虫歯の発生・進行を阻止できると、誰もが考えるでしょう。

一口に糖類と言っても、砂糖(蔗糖=スクロース)のほかに、
・米、パン、麺類、イモ類、トウモロコシの主成分であるデンプンを構成する麦芽糖(マルトース)
・果物などに含まれる果糖(フルクトース)
・ブドウ、バナナ、アンズ、蜂蜜などに含まれるブドウ糖(グルコース)
・牛乳に含まれる乳糖(ラクトース)
などがあります。

ちなみに、デンプン自体は虫歯菌によって代謝されませんが、デンプンはそのまま口を通過するのではなく、一部は唾液に含まれるアミラーゼによって麦芽糖に分解されます(ブドウ糖に分解される場所は小腸です)。
デンプンによって構成される米やパンなどは人の主食なので、糖類一切抜きの食生活を続けるのは、ほぼ不可能でしょう。

これらの糖類のうち、虫歯になるリスクはどれが高いのかについては、
『砂糖』がやはり大物中の大物であることは言えると思います。
『ブドウ糖』や『果糖』『ガラクトース』『マルトース』などでもそれぞれの大きさのリスクはありますが、『砂糖』と比較すれば小物?と言っていいかも知れません」とか
砂糖がもっとも危険、蜂蜜や果物やメープルシロップや、デンプンなどはその後の順になりますが、かなり危険度は低い」
と言われています。
 引用⇒結局のところ糖類はどうすればいいのでしょうか?(虫歯予防) (歯チャンネル88)(←回答12および17より引用)
 参照⇒コラム|インプラント・歯周病治療の村松歯科
    ⇒意外な食べ物からの虫歯 | 汐留イタリア街の歯医者|オリオン歯科

そこで、せめて砂糖だけでも摂らないようにするとしても、普通の料理の味付けに砂糖が使われていることも多いですから、食事から砂糖を完全に排除することは困難と言わざるをえません。

と言っても、悲観する必要はありません。私の経験から言えば、普通に甘いお菓子を食べても、適切な虫歯対策をとることで、虫歯の進行を、少なくとも遅らせることは可能です。
このブログでは、その対策を順を追ってご紹介してまいります。



4. 象牙質の臨界pH


色々な糖類のうち、デンプン(→麦芽糖)については危険度が低いと言っても、それはエナメル質の話であって、象牙質については別です。
エナメル質が脱灰を始める臨界pHは5.5ですが、象牙質は6.7となっています。そして、虫歯菌が麦芽糖からつくる酸のpHは5.5以下にはなりませんが、象牙質を脱灰させる程度には下がるためです。
 参照⇒稲毛エルム歯科クリニックのブログ

なお、象牙質の臨界pHを5.7~6.2とする見解もあります。
 参照⇒きたじま歯科医院 -診療のご案内 - 虫歯について知ろう!

しかし、安全のため、6.7と考えたほうが無難かと思います。

なので、虫歯が象牙質にまで達している場合は、たとえ食事から砂糖を排除できたとしても虫歯の進行の危険は残ることになります。
ただ、私の経験からすると、象牙質が虫歯にやられていても、虫歯になりやすい体質でなければ、対応次第では進行を遅らせることはできます(虫歯になりやすい体質については、次の記事で述べます)。


長くなるので、一度切ります。
虫歯の進行を自力で止める1-2 ~押さえておくべき虫歯の基礎知識 ②に続きます。


関連記事
虫歯の進行を自力で止める1-2 ~押さえておくべき虫歯の基礎知識 ②
虫歯の進行を自力で止める1-3 ~知らないとヤバい基本の方法 ①
虫歯の進行を自力で止める1-4 ~知らないとヤバい基本の方法 ②

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虫歯 新説・異説編
 

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[ 2017/01/12 00:15 ] 歯の病気(虫歯) 虫歯 基礎編 | TB(0) | CM(-)

虫歯の進行を自力で止める1-3 ~知らないとヤバい基本の方法 ①

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お勧め度・・・★★★(お勧めするというより、必須です)

虫歯の進行を自力で止める1-2 ~押さえておくべき虫歯の基礎知識 ②の続きです。

何事も基本が大切ですが、虫歯の進行を止める場合も同じです。
このブログでご紹介する歯の再石灰化や虫歯菌の殺菌などをいくら行なっても、基本が守れていないと全く無意味になります。
この記事では、知らないでは済まされない基本的な虫歯対策についてご説明します。


1. 食習慣を変えて虫歯の進行を止める


すでに見たように、飲食物に含まれる糖類を虫歯菌が分解し、このときできる酸によって、歯垢内のpHが急速に下がり、歯が脱灰します。この現象は、飲食のたびに繰り返されます。

後で詳しく述べますが、飲み物を飲んだ場合でも、甘い飲み物や酸性の飲み物だと歯は脱灰します。

そして、歯垢内pHは、飲食が終わった後、唾液の作用で上昇し、数分から60分以上かけて徐々に元の値に戻ります(ネット上では、歯科医によって20分という人や40分という人もいて、バラバラです)。

pHが元に戻るには、飲食物に含まれる糖類の濃度が高いほど、また、唾液の緩衝能が低かったり、唾液の量が少ないほど、時間がかかります。
pHが元に戻ると脱灰より再石灰化が優位になりますが、再石灰化によって歯の修復が完了するには数時間かかる、とされています。
 参照⇒きたじま歯科医院 -診療のご案内 - 虫歯について知ろう!
    ⇒虫歯のメカニズム(脱灰と再石灰化) (渡辺歯科クリニック)

そのため、食後3時間は飲食を避けることが、勧められています。
 参照⇒脱灰と再石灰化について (若島歯科医院)

このように、脱灰は飲食のたびに起こり、そのつど歯の修復に数時間を要するわけですから、飲食の回数を増やさないことが肝心です。飲食物の量より飲食の回数が重要です。
「フルコースのディナーやケーキ1ホールも、アメひとつ、ガム1枚、ジュース1口も1食です」
 引用⇒むし歯を予防しよう (みつもり歯科医院)

そしてまた、飲食するときにダラダラと時間をかけると、脱灰する時間が再石灰化する時間より長くなるため、虫歯が発生・進行しやすくなります。
なので、長時間、ダラダラと飲食しないようにしましょう。

思い当たるフシがある方は、是非改めてください。



2. 間食とお菓子と虫歯の進行


飲食の回数については、一日3度の食事と1~2回の間食なら虫歯はできない、とされています。
 参照⇒歯科の知識(調布市 | とみさわ歯科医院)

しかし、虫歯でエナメル質に穴が開いている人は、安全のため間食を控えるべきと思います(これは管理人の意見です)。
というのも、歯の欠損部にはプラークが着きやすく、虫歯の進行を早めるため、飲食の回数は少ないに越したことはないからです。
 参照⇒きたじま歯科医院 -診療のご案内 - 虫歯について知ろう! (前掲サイト)

また、象牙質の虫歯の人も、やはり安全のため間食を禁止した方が良いと思います。
なぜなら、前の記事でも書いた通り、エナメル質が脱灰を始める臨界pHは5.5ですが、象牙質は6.7です。このため、砂糖だけでなく米や小麦に含まれる麦芽糖によっても脱灰します。
つまり、三度の食事で甘いものを摂らなくても象牙質は既に脱灰しています。
その上、臨界pHが高い分、下がった歯垢内pHがそこまで戻るのも時間がかかります。その間、脱灰は続きます。
従って、それ以上食事の回数は増やさないほうが賢明でしょう(これは管理人の意見です)。

また、甘いお菓子は、間食で食べるのではなく、通常の食事の直後にデザートとして食べたほうが、再石灰化の時間が増えるとされています。
 参照⇒長野県松本市の歯科医院 小川歯科クリニック -虫歯・歯周病とは-

従って、すでにできた虫歯の進行を止めるには、間食をせず、お菓子は食後に摂るということを厳守しましょう。



3. 甘い飲み物や飴、酒も危険


① 甘い飲み物、飴


砂糖入りのコーヒーを時間をかけてチビチビのんだり、ジュースなどを日に何度も飲むのもNGです。
「飲み物なので、食べかす(→歯垢)にならないから大丈夫」
などと油断してはいけません。
それらは、飲むと同時に、虫歯菌に砂糖を供給することになりますから、歯垢内pHは歯を溶かすpH5.5以下となります。

また、大多数の炭酸飲料水は、10%前後の濃度の砂糖を含むため、1時間近くPH5.5以下の状態が続くとされています。
 参照⇒きたじま歯科医院 -診療のご案内 - 虫歯について知ろう! (前掲サイト)

そして、「スポーツドリンクも大多数は5~6%の糖を含み、100%果汁を表示しているものでも、10%以上の糖を含むものがあるので注意が必要です」
 引用⇒わかりやすい虫歯の知識 (とみさわ歯科医院)

このように、甘い飲み物は、食べかすができるかどうかとは関係なく歯を脱灰(=虫歯を進行)させます。たとえ飲むのは短時間であっても、そのあと何十分も脱灰が続きます。
つまり、脱灰という点では、甘いお菓子を食べるのと全く同じです。よって、三度の食事とは別に甘い飲み物を飲むのは、虫歯の進行を止める上では極めて不都合と言わざるをえません。

ちなみに、飴やガムやトローチも、虫歯菌にエサを長時間与えるのと同じです


② 飲み物の酸性度


飲み物については酸性度にも注意が必要です。
清涼飲料水やスポーツドリンク、さらにビールや日本酒などは、意外にも酸性度が高く、当然にして歯を直接(虫歯菌を介さずに)脱灰させます
例えば、コーラのpHは3.2で、スポーツドリンクは3.5、ビールは4.3、日本酒は4.4とされています。

ほかにも、ワインや黒酢ドリンク、野菜ジュース、乳酸菌飲料、グレープフルーツやレモンなどの柑橘系の食べ物も酸性度が高いと言われています。

このような飲み物を頻繁に摂ったり、チビチビと時間をかけて飲むと、「酸蝕歯」という歯が溶ける症状が起こる危険があります。
虫歯がすでにある場合は、さらに進行させてしまいます。
従って、酸性の飲み物を飲んだときは、水で口をすすぐことで、口の中を中性に戻すことが勧められています。
 参照⇒清涼飲料水の飲み過ぎで歯が溶けるって本当!?[美ログ] | スキンケア大学 
    ⇒虫歯予防=歯磨きは間違い? (ふじわら歯科医院)

当ブログ管理人は、飲食のあと、重曹を溶かした水で口をゆすぐことをお勧めします。
重曹水はpH8.0前後(水500ccに対して重曹3gの場合)の弱アルカリ性で、これで洗口すると口の中だけでなく歯垢内の酸も中和することができます。
さらには、すでにできている虫歯まで改善します。
 参照⇒新説「深い虫歯も重曹で治る」⑤ ~治った実例(虫歯の進行を自力で止める3-7)


長くなるので、一度切ります。
虫歯の進行を自力で止める1-4 ~知らないとヤバい基本の方法 ②に続きます。


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[ 2017/01/13 01:02 ] 歯の病気(虫歯) 虫歯 基礎編 | TB(0) | CM(-)

虫歯の進行を自力で止める2-1 ~フッ素

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 お勧め度・・・★★★(管理人によるフッ素の使用結果については 『虫歯の進行を自力で止める4-3 ~痛みが出ても阻止できた実践例』(掲載予定)でご紹介します)


前回までの記事で、虫歯の進行を止めるための基礎知識と基本の方法をご説明してきました。
 参照⇒虫歯の進行を自力で止める1-1 ~押さえておくべき虫歯の基礎知識 ①  
 ⇒虫歯の進行を自力で止める1-2 ~押さえておくべき虫歯の基礎知識 ②
 ⇒虫歯の進行を自力で止める1-3 ~知らないとヤバい基本の方法 ①
 ⇒虫歯の進行を自力で止める1-4 ~知らないとヤバい基本の方法 ②


この記事以降では、実際に使う医薬部外品などをお知らせしてまいります。
まず最初にこの記事でフッ素を、次の記事でMIペーストをご紹介します。
これらは歯科医師も効果を認める方法で、例えば、歯科医師が一般人の質問に答えるサイトには、こんなやりとりが載っています。

 一般人 「何か食べたらすぐに磨くという自分なりの約束事が継続できれば、穴が埋まることは絶望的でも、進行だけはしないと期待できるものなのでしょうか?」
 歯科医 「その虫歯の部分、硬さはいかがですか? 硬ければ、進行を停止することは可能だと思います」
「どうしても自力で、というのならば、フッ素洗口剤やMIペーストの利用は有効かとは思いますが」
 参照⇒過度の歯磨き習慣の徹底で、虫歯の穴の進行だけは止まりますか? (歯チャンネル88)

最後の「有効かとは思いますが」という言い方は少し歯切れが良くありませんが、これは、歯科医院で虫歯リスク検査を受けた上で対処することが必要という文脈の中で述べられているためです。

虫歯リスク検査では、虫歯になりやすい体質かどうかが分かるので、ご自分がどちらなのか分からない人は受けてみられるとよいでしょう。
 参照⇒虫歯になりやすい!?サリバテスト(唾液検査)でむし歯リスクが判明 | 長谷川歯科医院

それと、あくまで基本的なことを守らないと、フッ素などに頼っても効果は相殺されます。
前回までの記事で申し上げた基本の方法を必ず守った上で、フッ素などの製品を使用し、また基礎知識に基づいて製品の使い方を工夫してください。



1. フッ素の効能


フッ素の具体的な働きとしては、以下のものが挙げられます。

① 歯の表面に吸着することで、虫歯菌がつくる酸に歯が溶かされるのを防ぎます(脱灰抑制)

② 脱灰で歯質から失われたカルシウムイオンやリン酸イオンが、歯へ再び取り込まれるのを促進します(再石灰化促進)。特に初期の虫歯であれば、フッ素で修復可能です。

③ 再石灰化のさい、カルシウムイオンおよびリン酸イオンと結合し、フルオロアパタイトという耐酸性のある構造を作って歯の強度を高めます(歯質強化)

④ 抗菌力を持つので、歯垢内での虫歯菌による酸の産生や歯垢の形成を抑制します。

 参照⇒リン酸カルシウム 馬場歯科医院
    ⇒お口の中の手入れ法-歯の知識- (須貝歯科医院)
   ⇒オーラルケア フッ素について (ホワイトファミリー歯科)



2. フッ素で虫歯の進行を止める


通常、歯へのフッ素の塗布は虫歯の予防措置として行なわれますが、上に挙げた働きからすると、少なくともエナメル質の虫歯に関しては進行の阻止も可能のようです(象牙質については後で述べます)。

念のため、フッ素を配合した歯磨きジェルについて調べてみると、「コンクール ジェルコートF」(ウェルテック)の効能書きには、
「ムシ歯の発生及び進行・歯周炎(歯槽膿漏)・歯肉炎の予防、口臭の防止」
と書いてありました。

また、「チェックアップジェル」(ライオン)の効能書きにも、
「フッ素が再石灰化を促進し、う蝕(むし歯)の発生・進行を予防します」
とあります。

ほかに、「クリニカアドバンテージ デンタルジェル 」(ライオン)も同様です。

虫歯の進行の予防とは、発生した虫歯の進行を防ぐ、食い止める、という意味ですから、進行を止めるということです。

また、上記④の「歯垢内での虫歯菌による酸の産生や歯垢の形成を抑制する」という働きにも注目されます。
歯の詰め物の裏で虫歯が拡がると、そこにある歯垢を歯ブラシで除去するのは困難です。
しかし、フッ素が歯垢内にも浸透して酸の産生や歯垢の形成を抑えるのであれば、歯ブラシの届かない詰め物の下にある虫歯の進行を止めることも期待できそうです
ただし、これは管理人の希望的観測であって、専門家の見解ではありませんので、ご注意ください。

ちなみに、歯へのフッ素の塗布は、自宅などで市販のフッ素ジェルなどを使用する場合のほか、医療機関で受ける場合があります。
市販のフッ素は低濃度で、期待される効果は再石灰化の促進や酸の産生の抑制とされています。
一方、医療機関で用いられるフッ素は高濃度で、期待される効果は歯質の強化です。
 参照⇒フッ素塗布で虫歯予防 歯の豆知識! 歯医者さんネット

ただし、低濃度のフッ素でも長期間使用すれば、歯質の強化は可能です。
 参照⇒オーラルケア フッ素について (ホワイトファミリー歯科)(前掲サイト)



3. 象牙質の虫歯とフッ素


では、象牙質の虫歯についてはどうでしょうか。
ある歯科医師のブログには次のように記されています。
「フッ素はエナメル質だけでなく象牙質の虫歯予防にも効果的です。歯磨き粉やフッ素ジェルを効果的に使うことによって初期の象牙質の虫歯を再生させることができます
 引用⇒歯の象牙質の特徴と再生させる方法/象牙質知覚過敏の治療法 (おかざき歯科クリニック)

また、別の歯科医師は次のように述べています。
「フッ素は、歯の『象牙質』にも有効であることがわかっています。
象牙質の主成分はエナメル質よりも酸に弱く、脱灰スピードも旱いのですが、歯にフッ素を供給すると、象牙質の再石灰化も可能になります
 引用⇒歯のはなし「フッ素を有効に利用しよう!」 (さんたんだ歯科医院)

このように、虫歯が象牙質まで達してしまっても、少なくとも初期の段階であれば、なんとかそこで進行を阻止することが、フッ素を使うことで可能となるようです。

さらに言えば、たとえ象牙質でもフッ素で初期虫歯の再生ができるのであれば、虫歯がある程度大きくても、フッ素を継続的に使うことで、原状回復は無理でもそれ以上の進行を止めて均衡を保てるのではないかと思われます(ただし、これは管理人の希望的観測です)。

また、上で述べた「歯垢内での虫歯菌による酸の産生や歯垢の形成の抑制」という効能から考えても、やはり象牙質の虫歯の進行を止める効果が期待できるものと思われます(同じく管理人の希望的観測です)。



4. フッ素使用上の注意点


フッ素で洗口したあと30分は、うがいや飲食を控えるべき、とされています。
 参照⇒フッ素洗口法3 ひぐち歯科クリニック

また、すでに申しましたように、虫歯になりやすいかどうかは個人差があります。それを決定づけるのは歯の質、唾液の量と緩衝能(口内の酸性化に対する中和能力)、虫歯菌の数、歯並びなどです。

普段からきちんと歯磨きをしていても虫歯になりやすい人は、フッ素に対しても過度の期待はしないほうがよいかもしれません。
特に象牙質はエナメル質より酸によって溶けやすく、虫歯になると急速に進行すると言われていますから、虫歯になりやすい人は油断は禁物です。
象牙質が虫歯になると、冷たいものや甘いものがしみるという症状が出ます。もしそのような症状が出たら無理をせずに歯科医院を受診してください。


虫歯の進行を自力で止める2-2 ~MIペースト に続きます。



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[ 2017/01/14 14:11 ] 歯の病気(虫歯) 虫歯 製品編 | TB(0) | CM(-)

虫歯の進行を自力で止める2-2 ~MIペースト

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虫歯の進行を自力で止める2-1 ~フッ素 の続きです。
フッ素と併用することで虫歯の進行を止めるのに役立つとされるMIペーストをご紹介します。


1. MIペーストとは

  
歯を構成する主な成分はハイドロキシアパタイトという物質で、これはリン酸カルシウムと水酸化物イオンから成り立ちます。ヒドロキシアパタイトとも呼ばれます。
 
MIペーストは、ハイドロキシアパタイトを構成するリン酸カルシウム(ACP)を含む薬用ペーストです。
MIペーストのACPは、牛乳由来のタンパク質(CPP)でコーティングされており、これをCPP-ACP(リカルデント)と言います。



2. MIペーストの効能

 
MIペーストの働きは、以下の3つです。

① 食事によって酸性に傾いた口の状態を中性に戻します(中和作用)

② 口が酸性になりにくい状態を維持します(緩衝作用)

③ 唾液と比較して約190倍のカルシウムと約20倍のリンを含み、これらは歯垢の中にまで取り込まれ、歯の再石灰化を促進します。

 参照⇒歯を再石灰化させて強化するミネラルペースト『MIペースト』 (天野歯科医院)(前掲サイト)
   ⇒治療内容について/TOOTH WEAR (ホワイトファミリー歯科)

虫歯の進行を自力で止める2-1 ~フッ素 でご説明したように、フッ素による歯の再石灰化促進作用は、カルシウムやリン酸が歯に取り込まれるのを促すというものです。
一方、MIペーストによる再石灰化は、MIペーストがカルシウムとリン酸を直接歯に供給するという働きです。

従って、フッ素の塗布のあとにMIペーストを使用することで、いずれかの単独使用よりも、虫歯の活動が低下すると言われています。
 参照⇒治療内容について/TOOTH WEAR (ホワイトファミリー歯科)

また、上に挙げたように、MIペーストは歯垢の中にまで取り込まれ、エナメル質を再石灰化させると言われています。
従って、詰め物の裏の、歯ブラシで取り除けない歯垢の下でも再石灰化が期待できそうです。
ただ、ペースト状なので、唾液と混ぜてゆすぐことで、歯と詰め物の隙間に入り込ませる必要があると思います。
これは管理人の希望的観測であって専門家の見解ではありませんので、ご注意ください。



3. 象牙質の再石灰化とМIペースト

 
象牙質については、MIペーストで再石灰化が可能であるとか、虫歯の進行を止められるとする説明は、ネット上では確認できませんでした。

一方、虫歯の進行を自力で止める2-1 ~フッ素 でご説明したように、フッ素であれば、象牙質の虫歯でも、少なくとも初期のものなら再石灰化することが可能です。

象牙質の構成成分は、65.7%がハイドロキシアパタイト、18%がタンパク質、12%が水です。
 参照⇒【Oral Studio】基礎:象牙質の構造・組成・物性

エナメル質は96%がハイドロキシアパタイトです。
 参照⇒エナメル質【歯科大辞典】 (歯チャンネル88) 

このように象牙質はエナメル質と比べてハイドロキシアパタイト(≒リン酸カルシウム)の割合が低いですが、それでもリン酸カルシウムの歯への取り込みを促すフッ素で再石灰化できます。
であれば、リン酸カルシウムを豊富に含むMIペーストをフッ素と併用すれば、象牙質を再石灰化することも、ある程度は可能となるはずです(ただし、これも管理人の希望的観測です)。



4. 知覚過敏とMIペースト


ついでに、虫歯とは別の事柄になりますが、象牙質に対するMIペーストの働きとしては、知覚過敏を抑えることが挙げられます。

象牙質には、歯の中心にある歯髄(神経と血管でできた組織)とエナメル質をつなぐ無数の細い管が走っています。これを象牙細管と言います。ここを通って、歯髄から歯に栄養が運ばれます。

虫歯や歯茎下がりなどによって象牙質が露出すると、冷水や甘いものや歯ブラシの刺激が象牙細管を通って歯髄神経に伝わります。
歯髄には圧力や温度の感覚がなく、それらは全て痛みとして脳に伝えられます。それが知覚過敏です。

MIペーストは象牙細管を封鎖することで、刺激が歯髄に伝わるのを遮断します
 参照⇒知覚過敏 | 近藤歯科クリニック 




5. MIペースト使用上の注意点

 
MIペーストに含まれるCPPは牛乳由来のため、乳製品アレルギーのある方は使用できません
 参照⇒歯を再石灰化させて強化するミネラルペースト『MIペースト』 (天野歯科医院)
  
また、虫歯の進行を自力で止める1-1 ~押さえておくべき虫歯の基礎知識 ① でも述べましたが、象牙質はエナメル質より酸によって溶けやすく、虫歯になると急速に進行すると言われています。
ですので、虫歯になりやすい人は、冷たいものや甘いものがしみるといった象牙質の虫歯の症状が出たら、無理をせずに歯科医院を受診してください。

虫歯の進行を自力で止める2-3 ~アパガード に続きます。



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虫歯の進行を自力で止める2-1 ~フッ素
虫歯の進行を自力で止める2-3 ~アパガード
虫歯の進行を自力で止める2-4 ~パーフェクトぺリオ
虫歯の進行を自力で止める2-5 ~システマEX 口内殺菌のリスク【超重要】
虫歯の進行を自力で止める2-6 ~クリニカクイックウォッシュ
虫歯の進行を自力で止める2-7 ~乳酸菌(L.ロイテリ菌)
虫歯の進行を自力で止める2-8 ~キシリトール

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[ 2017/03/11 21:40 ] 歯の病気(虫歯) 虫歯 製品編 | TB(0) | CM(-)

虫歯の進行を自力で止める2-3 ~アパガード

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おすすめ度・・・★★☆(管理人によるアパガードの使用結果については、掲載予定の別の記事でご紹介します)

虫歯の進行を自力で止める2-2 ~MIペースト の続きです。
虫歯の進行を止めるのに役立ちそうなものとして、アパガードをご紹介します。


1. アパガードとは

  
MIペーストの説明で述べたとおり、歯は主にハイドロキシアパタイトで構成されます。
ハイドロキシアパタイトはリン酸カルシウム水酸化物イオンから成り立っています。

MIペーストの主成分は、ハイドロキシアパタイトを構成するリン酸カルシウムですが、ハイドロキシアパタイトそのものを配合した歯磨き剤があります。それが「アパガード」です。

アパガードには、天然のハイドロキシアパタイトに近い組成の「ナノ粒子薬用ハイドロキシアパタイト」という有効成分が含まれます。



2. アパガードの効能


アパガードの効能は以下の通りです。

① 薬用ハイドロキシアパタイトは細菌に付着する性質があり、虫歯菌や歯垢をからめ取り、除去します。
これにより、歯ブラシの届きにくい部位の歯垢も除去しやすくなります。
 参照⇒オーラルケア/フッ素について (ホワイトファミリー歯科) 「4.酸と菌から歯を守る、ツルツルな面を得る」の項

② 歯の脱灰した部分に薬用ハイドロキシアパタイトが浸透し、再石灰化します。
その再石灰化効果は、フッ化物配合歯みがき剤と同等であることが確認されています。
 参照⇒ゆめはんな歯科クリニック:「歯のトリートメント」
 
③ エナメル質のミクロの傷を埋めて滑らかにし、歯垢や着色を付きにくくします(再結晶化)。
 参照⇒歯のエナメル質を修復する歯磨き『アパガードリナメル』 (天野歯科医院)

上記①の歯垢除去効果から考えると、詰め物の下など歯ブラシの届きにくい場所にある歯垢を取ることで、そこでの虫歯の進行を抑制することも期待できそうです。



3. 象牙質の再石灰化とアパガード


アパガードで象牙質の再石灰化が可能かどうかについては、ネット上では確認できませんでした。

しかし、虫歯の進行を自力で止める2-1 ~フッ素で説明したように、象牙質はエナメル質よりハイドロキシアパタイトの構成率が低いにもかかわらず、フッ素で再石灰化できます。つまり、再石灰化が可能という性質を持ちます。
 
アパガードの主成分であるハイドロキシアパタイトは、エナメル質を再石灰化できます。そして、いま述べたように象牙質も再石灰化が可能という性質を持ちますから、アパガードで象牙質を再石灰化することもできるはず、と考えられます(ただし、これは管理人の希望的観測です)。



4. 知覚過敏とアパガード


ハイドロキシアパタイトは、知覚過敏治療に使われる象牙細管封鎖剤にも含まれます。そして、象牙細管内部に浸透することでこれを封鎖し、知覚過敏を緩和します。即効性・持続性のバランスに優れると言われています。
 参照⇒知覚過敏治療 (林歯科診療所)

アパガードもハイドロキシアパタイトを配合していますから、同様に象牙細管を封鎖できるものと推定されます(管理人の見解です)。



5. アパガード使用上の注意


フッ素やMIペーストの使用上の注意でも申しましたが、象牙質の虫歯は進行しやすいので、虫歯になりやすい体質の人は、アパガードの再石灰化能力に過度に期待しないほうが良いでしょう。
もし冷たいものや熱いものがしみるようなら、それは象牙質の虫歯なので、無理をせず歯科医院を受診してください。



6. MIペーストとアパガード


MIペーストもアパガードも、歯の構成成分を含み、歯を再石灰化させるという点は共通しています。
では、この両者のどちらを選べばよいのでしょうか。選択の参考に、比較しておきましょう。

まず両者の成分を比べると、アパガードが含むのは歯を構成するハイドロキシアパタイトそのもので、一方MIペーストは、ハイドロキシアパタイトの一部であるリン酸カルシウムです(別の一部は水酸化物イオン)。

前者のほうが歯の再石灰化には有利に思えますが、後者はフッ素と結合することで、歯に取り込まれるのを促進されます。
つまり、脱灰が起こるとフッ素イオンが水酸化物イオンと入れ替わってリン酸カルシウムと結合し、歯の一部になるということです。
しかも、このフッ素とリン酸カルシウムから成る物質(フルオロアパタイト)は、ハイドロキシアパタイトよりも酸によって溶けにくいので、フッ素の塗布の後にMIペーストを使うことで、再石灰化の強化が期待できます。
 参照⇒リン酸カルシウム 馬場歯科医院

従って、歯の再石灰化に関しては、フッ素と併用するのであれば、アパガードよりもMIペーストが有利と言えましょう。

再石灰化以外の効能については、以下の通りです。

・МIペースト
① 口の状態を酸性から中性に戻します(中和作用)。
② 口が酸性になりにくい状態を維持します(緩衝作用)。
③ 象牙細管を封鎖します。

・アパガード
① 虫歯菌や歯垢をからめ取り、除去します。
② エナメル質のミクロの傷を埋めて滑らかにし、歯垢や色を付きにくくします。
③ 象牙細管を封鎖します(ただし、管理人の推定です)。

両者にはこのような違いがあります。

アパガードの①の働きはMIペーストにはありません。しかし、フッ素を一緒に使っていれば、フッ素の効能の一つである「歯垢内での虫歯菌による酸の産生や歯垢の形成を抑制する」という働きで代替できそうです。
また、MIペーストは歯垢の中にまで取り込まれて歯を再石灰化させますから、菌や歯垢対策では両者引き分けといったところでしょうか。
ただ、歯垢・虫歯菌は除去したいという人なら、アパガードが良いでしょう。

また、唾液の緩衝能(口内の酸性化に対する中和能力)が低くて虫歯になりやすい人はMIペースト、歯の着色が気になる人はアパガードを選ばれると良いかと思います。

私は体質的に虫歯になりにくく、歯垢や菌の除去を重視するのでアパガードを使っています。
皆さんも、ご自分の体質や虫歯の状態に合わせてお選びください。

虫歯の進行を自力で止める2-4 ~パーフェクトぺリオ に続きます。



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[ 2017/04/03 00:58 ] 歯の病気(虫歯) 虫歯 製品編 | TB(0) | CM(-)

虫歯の進行を自力で止める2-4 ~パーフェクトぺリオ

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お勧め度・・・★★★

虫歯の進行を自力で止める2-3 ~アパガード の続きです。

前の記事までは、主として歯の再石灰化を促進することによって虫歯の進行を止める方法をお知らせしてきました。
この記事と次の記事では、バイオフイルム内の虫歯菌を殺菌する可能性のある製品をご紹介いたします。
まずは「パーフェクトペリオ」から。


1. パーフェクトペリオの特長


パーフェクトペリオとは、次亜塩素酸と炭酸水素ナトリウムを含む電解水です。

一般に、バイオフイルムは薬剤が分解または浸透できないため、その中の細菌を殺すのは、ほぼ不可能と言われてきました。
しかし、パーフェクトペリオは、それを可能にしたとされる製品です。

パーフェクトペリオの特長は以下の通りです。

① 炭酸水素ナトリウムでバイオフイルムを破壊し、次亜塩素酸で虫歯菌や歯周病菌を破裂させ、ほぼ完全に殺菌(溶菌)します
 参照⇒パーフェクトペリオによる溶菌 (天野歯科医院)

② 次亜塩素酸は、白血球が細菌を殺すときにつくる物質であり、副作用がありません
 参照⇒理大の栞16:活性酸素 -解説 - 岡山理科大学

また、日本食品分析センターにより、急性経口毒性試験、皮膚一次刺激性試験、眼刺激性試験(いずれも動物を用いたもの)が行われ、安全性が確認されています
 参照⇒次亜塩素酸電解水パーフェクトペリオの安全性検査試験結果 (天野歯科医院)(検査報告書のダウンロードリンクあり)

③ 口に含んで10秒間ゆすぐだけで効果を発揮します

④ 従来の洗口液の多くは酸性のため、歯を溶かす危険がありました。しかし、パーフェクトペリオはpH7.0~8.0の中性ないし微アルカリ性なので、歯を溶かす心配がありません

⑤ 軽度の歯周病や歯槽膿漏、歯肉炎なら、自宅での使用だけでも効果が期待できます

以上、①~⑤まで、参照⇒次亜塩素酸電解水パーフェクトペリオ殺菌水治療 (天野歯科医院)

⑥ パーフェクトペリオは抗生物質とは異なり、「細菌の複製能力を司る細菌の核酸を障害するため、連用しても耐性菌が発生しません」。
 引用⇒パーフェクトぺリオ Y DENTAL CLINIC
 参照⇒抗生物質を長く使うと薬が効かなくなることがあるが (天野歯科医院)

⑦ 口の中の常在細菌には影響を与えません
 参照⇒体にとって必要な常在細菌も殺菌してしまうのか? (天野歯科医院)




2. パーフェクトペリオの効果


パーフェクトペリオについては、効果や安全性の点で、歯科医師の間で評価が分かれています。
肯定する歯科医師は、治療に導入したりネット販売を行なっていますが、否定する歯科医師もいます。

否定の根拠は、パーフェクトペリオの作用について、基礎研究のレベルの報告はあっても、ヒトに応用した臨床研究レベルの報告はなく、また長期使用した場合の安全性も不明ということです。

確かに、すでに報告されているパーフェクトペリオに関する研究は、人工口腔装置の中で、人工のバイオフィルムを用いて行なわれた基礎的なものです。
実際の虫歯や歯周病の患者に投与して、効果や安全性を検証したものではありません。
 参照⇒次亜塩素酸電解水パーフェクトペリオについての大学研究論文 (天野歯科医院)(研究論文のダウンロードリンクあり)

とはいえ、効果について、この基礎研究が不十分であると断定するためには、バイオフィルムへの浸透や殺菌において、ヒトの口腔内には、これを阻害する、人工の装置では再現されていない要素があることを示す必要があるはずです。

しかしかながら、そのような指摘もまた、私がネットで調べた限りでは、発見に至りませんでした(ただし、深い歯周ポケットの中の歯周病菌については、パーフェクトペリオで口をゆすぐだけでは効かないという見解はあります)。
従って、この基礎研究は、臨床での有効性を示唆するには十分な価値があると考えられます(と言っても管理人の素人の考えですが)。



3. パーフェクトペリオの安全性


また安全性については、
「次亜塩素酸は、歯肉、皮膚といった軟組織には 強い腐食作用を示す」
という見解もあります。
 引用⇒パーフェクトペリオは歯周病に効果があるのか? (大船駅北口歯科)

しかし、私が実際に1日2回、1ヶ月強(その約1年後に再び1ヶ月)、規定の使用方法に従ってパーフェクトペリオを使用した限りでは、口の中に異常が発生することは一切ありませんでした。

また、パーフェクトペリオが開発されたのは平成17年ですが、それ以来、パーフェクトペリオの使用で健康被害が出たという事例は確認できません。
それどころか、一部の歯科医院では治療に使われているほどです。

ただし、パーフェクトペリオを1年ほど使ったところ、銀歯の表面が全て腐食したという人はいます。
 参照⇒歯科関係者の人に質問なんですけど、パーフェクトペリオって本当に体に無害なんですか? (ヤフー 知恵袋)

従って、少なくとも金属の詰め物を入れている人は、長期の使用を避けたほうが無難でしょう。

ともあれ、基礎研究で効果が証明されているのに対し、臨床応用の可能性に対する否定的検証(あるいは否定的結果を予想する指摘)は、なされていません。
安全性についても、短期使用なら重大な疑義があるとは考えられません。

そうであれば、この基礎研究は、パーフェクトペリオを厚労省などの公的機関が薬品等として認可する根拠としてではなく、素人が自己責任で使ってみるときの判断の根拠とすることは、特に問題はないものと考えられます。

無論、基礎研究レベルにとどまることは間違いありませんから、当ブログ管理人が効果や安全性を確実に保証できるわけではありません。
その点は誤解のないよう、お願いいたします。



4. パーフェクトペリオの使用上の注意


パーフェクトペリオは、未開封でも時間の経過と共に塩素濃度が下がるため、使用期限は1ヶ月となっています。
1ヶ月以内に使い切ってください。

味は非常にまずいです。いわゆる塩素の味です。
パーフェクトペリオはアマゾンでも売っていますが、カスタマーレビューで★一つの評価は、いずれも「まず過ぎて使えなかった」というものでした。

ただ、口をゆすぐのは10秒間なので、パーフェクトペリオでゆすぎ、そのあと普通の水でゆすぎ終わるまで息を止めておけば、なんとか我慢できます。

パーフェクトペリオは、塩素アレルギーの方が使用すると、歯茎の痛みなどの症状が出る場合があります
 参照⇒パーフェクトペリオについてのご相談 (天野歯科医院)



5. パーフェクトペリオの購入


パーフェクトペリオは、以下の歯科医院でネット注文できます。

次亜塩素酸電解水パーフェクトペリオ殺菌水正規品(患者様用) (天野歯科医院)
パーフェクトぺリオ Y DENTAL CLINIC (前掲サイト)
パーフェクトペリオとは? (いそ歯科医院)

アマゾンでも購入できます。


有効期限が3ヶ月の製品もあります。「正規品」とありますが、当ブログ管理人は効果を保証できかねます。


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[ 2017/05/14 14:38 ] 歯の病気(虫歯) 虫歯 製品編 | TB(0) | CM(-)

虫歯の進行を自力で止める2-5 ~システマEX 口内殺菌のリスク【超重要】

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お勧め度・・・★★☆

虫歯の進行を自力で止める2-4 ~パーフェクトぺリオ の続きです。

前回の記事ではパーフェクトぺリオをご紹介しましたが、パーフェクトぺリオは少々価格が高い上に使用期限が短く、また人によっては味にどうしても抵抗があって使えないというケースもあるようです。

この記事では、バイオフィルム内の菌を殺菌する可能性があり、かつパーフェクトぺリオより安価な製品として、ライオン社の液体歯磨き「システマEXデンタルリンス」(以下、『システマEX』と略記)をご紹介します。

この製品は、バイオフィルム内に浸透し、歯周病菌を殺菌するとされていますが、虫歯菌も殺菌する効果があると推測されます。
ただし、この推測はあくまでも当ブログ管理人の見解であって、専門的知見に基づくものではありませんので、ご注意ください。



1. システマEXとは


システマEXは、歯周病の予防を主たる効能とし、口臭と虫歯の予防を副次的効能とする液体歯磨きです。

歯周病は、歯と歯ぐきのすき間(歯周ポケット)の中にたまった歯垢(バイオフィルム)を放置することで、歯垢の中の菌が歯ぐきに炎症を起こし、さらには歯を支える骨(歯槽骨)などの歯周組織を破壊する病気です。

システマEXに配合されている殺菌成分は、イソプロピルメチルフェノール(IPMP)とラウロイルサルコシンナトリウム(LSS)です。
ライオン社では、IPMPが歯周ポケットの中のバイオフィルムに浸透し、内部の歯周病菌を殺菌する、としています。



2. システマEXと虫歯菌


一方、ライオン社は虫歯については、
「薬用成分IPMPと薬用成分LSSが原因菌をしっかり殺菌し、口臭・ムシ歯を予防」
と説明しています。
 引用⇒システマEXデンタルリンス | 製品ラインアップ | ライオン

この説明では、IPMPとLSSの両方が虫歯菌を殺菌するようですが、IPMPが、少なくともバイオフィルムの外の浮遊する虫歯菌を殺すことは可能のようです。
しかし、バイオフィルム内の虫歯菌を殺菌できるとは書いていません。

私がライオン社に問い合わせたところ、IPMPがバイオフィルム内の虫歯菌を殺菌するかどうかは確認していない、とのことでした。
そこでネット上を調べてみると、IPMPがバイオフィルム内の虫歯菌を殺菌すると明記したサイトは見当たりませんでした。

ちなみに、歯科医師のサイトでは、IPMPの虫歯菌に対する殺菌作用を指摘したものが二件、虫歯の予防効果があるとして間接的に殺菌作用を指摘したものが二件ありました。
 参照⇒ドクターコラム 身近な歯磨き粉、その違いとは?(パート1) (加部歯科医院)
 ⇒下板橋(豊島区)の歯科・歯医者・歯科医院|ごうけ歯科クリニック
 ⇒歯磨き粉の選び方 | wakashimadental
 ⇒歯磨き粉の選び方 (まえだ歯科)

しかし、これらもまた、IPMPがバイオフィルム内の虫歯菌を殺菌するとは明記していません。



3. システマEXとバイオフィルム


せっかくバイオフィルム内に浸透し、その中の歯周病菌を死滅させる性質を持ちながら、もし虫歯菌には殺菌力を持たないとすれば、菌を一律に殺すのではなく、虫歯菌を避けつつ殺菌する、あるいは歯周病菌を選択的に殺すということになります。
抗菌剤がそのような性質を持つとは、なんとも奇妙で納得しがたいことです。

と言っても、例えば「マスティック」という成分は歯周病菌を選択的に殺すとされています。
 参照⇒気になる!マスデント | 博多駅前の歯科・歯医者【樋口歯科】
 
しかし、IPMPについては、そのような指摘は見当たりません。

ともあれ、私が必要としている、バイオフィルム内の虫歯菌の殺菌がIPMPで可能であるという確証が得られない以上、安易にそれができると断定することはできません。

ただ、ライオン社のサイトでは、
「IPMPは非イオン性であるために、バイオフィルム表面の細菌に電気的に吸着されることなく、高い浸透力でバイオフィルムの表層から浸透し、これを突き抜けて、次々と殺菌しながら奥深くの細菌にまで到達することができ、バイオフィルム全体を殺菌することができるのです」
と説明されています。
また、そこで用いられている殺菌処理後のバイオフィルムの画像では、バイオフィルムの内部まで菌が死滅している様子が写し出されています。
 引用および参照⇒歯周病の真実 | 研究トピックス | ライオン株式会社

このように、バイオフィルムの内部まで「全体」にわたって殺菌できるのなら、その中に虫歯菌が含まれていれば、これを殺菌できても、おかしくはないはずです
少なくともバイオフィルムの外の虫歯菌を殺せるのですから、バイオフィルムの中では殺せないというのは不自然です

そう考えるなら、IPMPはバイオフィルム内の虫歯菌を殺菌することが可能と推測されます。

私は、平成24年の1月から年に数ヶ月、断続的にシステマEXを使っていますが、少なくとも虫歯の進行を遅らせる効果はあるように思われます。



4. 口内殺菌のリスク【超重要】


口内の虫歯菌を殺菌するにあたっては、大変重要な注意点があります。

口の中には歯周病菌や虫歯菌以外にも様々な菌が共存していて、一つの菌だけが増えすぎないように抑制し合ってバランスをとっています。
歯周病菌や虫歯菌も、それ以外の無害な菌によって牽制されています。と同時に、自分よりさらに有害な菌が入ってきても、これを牽制している可能性もあります。

もし口の中を頻繁に殺菌することで菌を殺しすぎた状態になると、そこに外から入ってきた菌は、敵のいない環境で爆発的に増え、病気を引き起こす危険性があります
病院で過度の殺菌を行うことで、抗生物質や殺菌剤が効かない菌が増殖する院内感染と同じです。

ただ、口の中の場合は院内感染と違って死には至らないとされていますが、せっかく虫歯を防いでも変な病気に罹っては、本末転倒です。

 参照⇒予防歯科の3DSについて(太田歯科医院)

従って、虫歯菌などを完全に殺そうとは思わず、ほどほどにしたほうがよいでしょう。

また、殺菌後は外から菌が入らないようにするため、以下の点に気をつけるべきと思います(ここからは当ブログ管理人の見解です)。

① 他人の使った箸やスプーン、缶、ビン、コップなどに口をつけない。
② 人や動物とキスをしない(特に動物はヤバいです。色んな菌持ってます)。
③ 生殖器を舐めない(自分のも)。
④ ウンコを食べない(雑菌のかたまりです)。

え? ④はわざわざ書く必要ないだろって? いやいや、世間には色んな人がいますからねぇ。
ちなみに私は食べませんよ、あんなもの。
あと、ウンコは舐めるのも駄目ですよ。
って、当たり前ですけど(一体、何のブログだこれは)。

もし、上に挙げた禁を破った場合(ウンコを食べてしまった、など)、すぐに口の中を殺菌してください。
そして、歯科を受診されるのをおすすめします(恥を忍んで『ウンコを食べちゃいました』と白状してください)。

 
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[ 2017/06/10 21:46 ] 歯の病気(虫歯) 虫歯 製品編 | TB(0) | CM(-)

虫歯の進行を自力で止める2-6 ~クリニカクイックウォッシュ

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お勧め度・・・???(当ブログ管理人は、この製品をまだ使っていないため、お勧め度は無しです)

前の記事(虫歯の進行を自力で止める2-5 ~システマEX 口内殺菌のリスク【超重要】)では、虫歯菌を殺菌する方法として、システマEXをご紹介しました。ただ、この製品は虫歯菌を殺す可能性があるにとどまるものであり、確実に殺菌できるという保証はできません。

しかし、もしシステマEXでバイオフィルム内の虫歯菌の殺菌が無理であったとしても、まだ次の手があります。

この記事では、口内殺菌とは異なる方法で、虫歯の進行を止めるのに役立つ可能性のある製品として、ライオン社から発売されている洗口液「クリニカクイックウォッシュ」をご紹介します。


1. クリニカクイックウォッシュとは


クリニカクイックウォッシュは、歯垢を分解するための洗口液です。
これに配合されるデキストラナーゼ酵素は、口に含んで、ゆすぐだけで歯垢(バイオフィルム)を分解・除去する日本で唯一の薬用成分とされています。

歯垢は虫歯菌の巣ですから、これを除去できれば、虫歯菌を殺菌したのと同じことになると言えましょう。
そして、液体ですから、歯ブラシの毛先の届かない、歯と詰め物の隙間の奥まで入り込み、そこにある歯垢も取り除くことが期待できそうです。



2. クリニカクイックウォッシュの歯垢分解力


では、この製品を使うことで、歯垢はどれだけ分解できるのでしょうか。
この製品についてライオン社では、外出先など、どうしても歯磨きできない時の使用を勧めており、また「毎日の歯磨きに加えて、ご使用下さい」としています。
 参照⇒クリニカクイックウォッシュ | 製品ラインアップ | ライオン

つまり、この製品の単独使用では歯垢を完全には分解・除去できないことを示唆しているようです。

そもそも歯垢は、虫歯菌が砂糖を代謝してできる粘着性の物質に細菌が凝集したり、細菌が食べかすに取りつき、これを栄養として繁殖することで形成されます。
口の中の細菌の数は個人差がありますから、歯垢のできやすさ、従って歯垢の量は個人差があるはずです(当ブログ管理人の見解です)。
また、歯並びによる歯の磨きやすさの違いや、唾液の分泌量(=抗菌力)の違いによっても、歯垢の量には差が生じると考えられます(同じく管理人の見解です)。

であれば、歯垢の量が比較的に少ない人については、このクリニカクイックウォッシュのみでも、歯垢をほぼ全て分解できる可能性があります(管理人の推測です)。
そして、歯と詰め物のすき間など、歯ブラシの毛先の届かない所の歯垢も除去することで、虫歯の進行を止めることが期待できます(管理人の見解です)。

ただ、メーカーがそのようなことを言ってしまうと、歯垢の量が多いことを自覚していない人が、この製品の単独使用に頼って歯磨きを怠り、その結果、歯垢を落としきれずに虫歯になる危険もありえます。
ライオン社がこの製品と歯磨きとの併用を勧めるのは、そのような事態を避けるためではないかと考えられます。
そして、それはメーカーとして正しい姿勢です。

ゆえに、同社が歯磨きとの併用を勧めていても、それは、歯垢の少ない人なら、クリニカクイックウォッシュの単独使用で歯垢の完全な分解・除去が不可能であることを示すものではないと推測できます。
ただし、念のため歯磨きはきちんと行なう方が無難であることに変わりはありません。



3. クリニカクイックウォッシュが有効な体質は?


ちなみに、私は今まで超音波や電動の歯ブラシも、歯間ブラシやデンタルフロスも使ったことがありません(一ヶ所だけ、すぐ野菜などがはさまる場所があって、そこだけ糸ようじを使います)。
にもかかわらず、これまで虫歯になったのは、昔からどういうわけか磨かないクセのあった奥歯の噛み合わせの部分と、チョコをやたら食べていた時期にできた、奥歯の側面一ヶ所だけです。
奥歯の側面の虫歯は、少しくぼんだだけで完全に進行が止まっています。

このことから、私は歯垢のできにくい(=量が少ない)体質なのかもしれません。
私はこのクリニカクイックウォッシュを使っていませんが、私と同じように虫歯になりにくい方なら、この製品を試してみる価値はあると思います。

逆に、歯垢のできやすい方や、歯垢はそれほどでなくても虫歯の進行が心配な方は、別の記事でご紹介したアパガードや、この次の記事でご紹介する乳酸菌などを、この製品と併用すると良いでしょう。
アパガードは歯垢除去効果があり、一部の乳酸菌は歯垢分解効果があります。
あるいは、パーフェクトペリオやシステマEXで、残っている歯垢を殺菌されると良いと思います。
歯と詰め物の間にすき間があって、その奥の歯垢が取れない方も同様です。

虫歯の進行の阻止は、失敗が許されません。この場合の失敗とは、神経(歯髄)を菌にやられることですから、そうなると神経を抜く治療を余儀なくされます。
そのような事態に至るまでに、複数の製品を使ってでも、進行を食い止めるのが適切と考えます。



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[ 2017/08/11 01:28 ] 歯の病気(虫歯) 虫歯 製品編 | TB(0) | CM(-)

虫歯の進行を自力で止める2-7 ~乳酸菌(L.ロイテリ菌)

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お勧め度・・・???(当ブログ管理人は、以下にご紹介する乳酸菌入りの製品のうち、ロイテリ菌入りのタブレットを摂取しましたが、期間が5ヶ月ほどとあまり長くなかったので、効果についてはあるともないとも断定でぎません。
また、乳酸菌で虫歯の進行が阻止できるという専門家もいないようです〔ただし、効能からすると、その可能性はあると思います〕。従って、お勧め度は無しです)


1. バクテリアセラピーと乳酸菌


近年、ヨーロッパの予防医学において、善玉菌を摂取することで、体の中の菌のバランスを変え、体質を変えていくという細菌療法が登場しました。これを「バクテリアセラピー」と呼びます。
 参照⇒さとう歯科クリニック

このバクテリアセラピーを応用して、虫歯菌や歯周病菌を抑制する善玉菌(乳酸菌)を含んだタブレットや洗口液などが市販されています。
そこに含まれる乳酸菌の種類としては、L.ロイテリ菌、L8020菌、WB21菌、LS1菌などがあります。



2. ロイテリ菌の虫歯に対する効能


L.ロイテリ菌は、ヒトの母乳・口腔由来の乳酸菌です。
「L.」は「ラクトバチルス」の略です。この菌を単に「ロイテリ菌」とも言います。

ロイテリ菌は、「ロイテリン」という抗菌性物質をつくります。
ロイテリンは、第一に、虫歯菌や歯周病菌などの有害な菌の増殖を抑えますが、善玉菌には無害です。
 参照⇒ロイテリ菌の力で虫歯を予防!お口の健康を守る善玉菌とは? (歯科医師監修記事)

治験データによると、ロイテリ菌入りのヨーグルトを2週間連続で摂取すると、虫歯菌(ミュータンス菌)が約80%減少し、その効果が2週間持続したとのことです。
 参照⇒さとう歯科クリニック (前掲サイト)

第二に、歯垢(バイオフィルム)を分解し、その形成を抑える性質があります。
 参照⇒ロイテリ菌の力で虫歯を予防!お口の健康を守る善玉菌とは? (歯科医師監修記事)(前掲サイト)
 ⇒バクテリアセラピー -流山おおたかの森歯科



3. ロイテリ菌で虫歯が悪化する危険はないか


ロイテリ菌で減らせるミュータンス菌は、虫歯のきっかけをつくる菌です。一方、虫歯菌には、できた虫歯を進行させるラクトバチラス菌もあります。
 参照⇒ラクトバチラス菌とその対策について(若島歯科医院)
 
初めに述べたように、ロイテリ菌自体がラクトバチラス菌の一種です。となると、ロイテリ菌を摂取することで、すでにある虫歯が進行してしまうのではないかと言う疑念が出てきます。

そこで、ロイテリ菌のタブレットを製造しているスウェーデンの「バイオガイア社」の日本法人に、私がこの点について問い合わせたところ、
ロイテリ菌はヘテロ発酵のため脱灰を起こさないことは確認されている」
との回答を頂きました。

ヘテロ発酵とは、ブドウ糖から乳酸とエタノールと二酸化炭素を生成する発酵です。一方、乳酸だけを生成する発酵もあり、これをホモ発酵といいます。
ラクトバチラス菌にはヘテロ乳酸菌とホモ乳酸菌の両方があります。
 参照⇒乳酸菌の種類って? (鎌田工業)



4. ロイテリ菌で虫歯の進行を止められるか


私が調べた限りでは、すでにある虫歯の進行をロイテリ菌の摂取で防ぐことができるとする専門家の意見は見当たりませんでした。

また、バイオガイア社の日本法人によると、ロイテリ菌が他のラクトバチラス菌を抑制する作用があるかどうかについては、
「その作用についての治験はないが、ロイテリンが自然に有害菌のみを攻撃し、正常な菌叢を維持することを確認している」
とのことでした。
従って、ロイテリ菌で一般のラクトバチラス菌を抑えることは、可能性はあるかもしれませんが、断定はできないようです。

ただ、歯垢の中にはミュータンス菌も存在し、糖類を分解して酸を生成することで、歯を脱灰させます。よって、ロイテリ菌がこれを減らすことで、虫歯の発生を防ぐことができそうです。
また、上に述べたようにロイテリ菌は歯垢も分解しますから、主にこの作用によって、虫歯の進行をある程度防ぐ可能性はあると思われます(管理人の見解です)。

もっとも、ロイテリ菌の単独使用ではなく、他の記事でご紹介した歯の再石灰化を促す製品や歯垢を分解する製品、或いは殺菌作用のある製品などを併用した方が、より効果的かと思います(管理人の見解です)。

ロイテリ菌には、虫歯菌のほか歯周病菌の抑制という働きもあります。
従って、ロイテリ菌を摂ることの意味は、主に歯周病対策の副次的効果として虫歯の進行抑制もある程度できる、ということになるかと思います。



5. ロイテリ菌の色々な効能


ロイテリ菌の効能としては、虫歯菌や歯周病菌の抑制のほか、
口臭の軽減、
歯肉炎の緩和、
胃におけるピロリ菌の抑制、
アトピー性皮膚炎や花粉症などのアレルギーの軽減、
細菌感染症の抑制、
小腸における免疫細胞の活性化、
便秘や下痢の改善
などが挙げられます。
 参照⇒ロイテリ菌の力で虫歯を予防!お口の健康を守る善玉菌とは? (歯科医師監修記事)(前掲サイト)
 ⇒バクテリアセラピー -流山おおたかの森歯科 (前掲サイト)

ロイテリ菌入りのタブレットとしては、上記のバイオガイア社が販売している「プロデンティス」があります。





6. その他の乳酸菌


口内環境を整える乳酸菌としては、ロイテリ菌のほかL8020、WB21、LS1などがあります。

L8020は、虫歯を発生させるミュータンス菌を減らすことができます。
また、口内でバイオフィルム(歯垢)を生成するカンジダ菌についても、その9割を抑制できたという実験結果が出ています。
このほか、5種類の歯周病菌に対する抑制効果や、菌体の殻にある毒素を中和する作用があります。
 参照⇒L8020菌治療 (たつみの歯科クリニック)

WB21についても、唾液中のミュータンス菌を減少させる働きが証明されています(ただし、臨床試験ではなく基礎研究です)。
 参照⇒日本歯科保存学会(熊本県熊本市)発表 (たなべ保存歯科)

LS1は、使用しても虫歯菌は減りませんが、虫歯菌の周りを取り囲み、その増殖を抑える作用があり、また、歯垢の元となる不溶性グルカンの生成が抑えられるとされています。
 参照⇒乳酸菌(LS1)が虫歯と歯周病を防ぐ新しい歯周治療 | 池田歯科医院・こども歯科

しかし、これらの乳酸菌は、虫歯を進行させるラクトバチラス菌には効かないようです。
減らせるのがミュータンス菌だけでは、虫歯の進行阻止の効果は限定的かと思われます。
また、ロイテリ菌と違って、すでにある歯垢を分解する働きもないようです。

ロイテリ菌の場合と同様、これらの乳酸菌で虫歯の進行を止められるとする専門家の見解は見つかりませんでした。
よって、これらは虫歯の進行を止めるというより、予防するためのものと考えたほうが良いでしょう。

従って、当ブログでは、もし虫歯の進行を止めるために乳酸菌を摂取するのであれば、殺菌作用のある製品などとの併用で、ロイテリ菌をお勧めします。



7. 乳酸菌の摂取における注意点


乳酸菌も菌の一種なので、例えば別の記事でご紹介したパーフェクトペリオやシステマEXを使うと、そこに含まれる殺菌成分によって殺菌されてしまうことが考えられます。

そこで管理人がシステマEXのメーカーであるライオン社に問い合わせたところ、乳酸菌の摂取はシステマEXの使用から30分程度間隔を空けるよう、勧められました。
これを守らないと、乳酸菌を摂っても意味がなくなりますので、ご注意ください。


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[ 2017/08/26 10:44 ] 歯の病気(虫歯) 虫歯 製品編 | TB(0) | CM(-)

虫歯の進行を自力で止める2-8 ~キシリトール

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お勧め度・・・★★☆(管理人によるキシリトールの使用結果については、虫歯の進行を自力で止める4-1 ~進行を遅らせた実践例 ① 〔掲載予定〕でご紹介します)

虫歯予防といえば、キシリトールが有効なのは、ほぼ常識と言って良いでしょう。
では、そのキシリトールは、できてしまった虫歯の進行を阻止する効果はあるのでしょうか。


1. キシリトールの効能


キシリトールによる虫歯抑制効果としては、主に以下の四点が挙げられます。

① キシリトールとカルシウムの複合体が歯の硬組織中に進入することで歯の再石灰化を促進し、歯を硬くする。

② 歯垢の中に存在する、ショ糖を分解する酵素(シュクラーゼ)の活性を低下させ、歯垢の中で酸が出来にくくする。

③ 虫歯のきっかけをつくるミュータンス菌に取り込まれても、一般の糖類と違って酸を作らせず、またミュータンス菌のエネルギーにならずに、これを消耗させるだけなので、ミュータンス菌が減少する

④ 口の中にあるミュータンス菌の1割を占める、キシリトールを取り込まないタイプのミュータンス菌(キシリトール非感受性菌)が、キシリトールの常用によって増加し、3ヶ月経つと9割となる。
この菌は酸の産生が少なく、また歯垢の元となる不溶性グルカンを作らないため、歯垢の量が減り、また歯垢の粘着性が低くなるため、歯ブラシで除去しやすくなる。

 以上、①から④まで、参照⇒キシリトール|キシリトール基礎講座|日本フィンランドむし歯予防研究会

また、④に関連して、
「歯垢の減少を目的とした臨床実験の結果、キシリトールガムを一日に3~4回噛んだ園児グループは、キシリトールガムを噛んでいない園児グループより、開始から6ヶ月後には歯垢の量が約1/3であるという結果が得られました」
と言われています。
 引用⇒キシリトールってどうなの? (犬飼歯科)

ちなみに②に関して、シュクラーゼはそもそも歯垢の中ではなく虫歯菌の中にあるものではないかと思いますが、そのような説明は見当たりませんでした。
調べた限りでは、どの歯科医師のサイトにも、シュクラーゼは歯垢の中にあるものとして書かれていました。
しかし、虫歯菌とは別に、糖類を分解する酵素があるというのは不可解です。その酵素は一体どこから来たのか。
これについては、機会があればまた調べてみます。



2. キシリトールで虫歯の進行を止められるか


上に挙げた効能のうち、①の歯の再石灰化は表層の脱灰(初期虫歯)に対するものです。
すでに進行した虫歯や、象牙質の再石灰化が可能とする専門家の指摘は見当たりませんでした。

また、③のミュータンス菌の減少効果はあっても、ミュータンス菌は主に虫歯のきっかけをつくるものです。できた虫歯を進行させるラクトバチラス菌の減少効果は、キシリトールにはないようです。
 ラクトバチラス菌に関しては、参照⇒ラクトバチラス菌とその対策について(若島歯科医院)

④の歯垢の粘着性を低下させる効果も、歯の詰め物の裏など、歯ブラシの毛先の届きにくい場所にある歯垢については、あまり意味がないかもしれません(管理人の見解です)。

一方、②の歯垢内での酸産生の抑制効果は、進行した虫歯に対しても有効でしょうし、また、④について、ミュータンス菌は歯垢の中にも存在して歯を脱灰させるので、これを減らすことで虫歯の進行をある程度抑えることは出来そうです(管理人の見解です)。

しかし、やはりラクトバチラス菌に対する殺菌もしくは減少効果や、象牙質の再石灰化などの効果がないので、虫歯の進行を止める手段としては補助的なものになりそうです(管理人の見解です)。

ですので、ガムを噛むのが好きな方は、他の記事でご紹介したMIペーストやクリニカクイックウォッシュ、或いはシステマEXなど殺菌作用のある製品の補助として、キシリトール入りのガムを噛むと良いかと思います。
或いは、キシリトール入りの洗口液を使用するのも良いでしょう。



3. キシリトール摂取の方法


キシリトール100%配合のガムを1日5粒、1回5分間噛み続けて50%の虫歯予防効果があるとされています。
また、キシリトールの配合率が50%以下だと、虫歯菌は逆に増えるそうです。
 参照⇒キシリトール特集 | 小樽 熊澤歯科クリニック

キシリトール100%のガムは歯科専用とされていますが、ネットで購入できます。

摂取量や回数については、一日4~8粒を一日3~4回に分けてとか、噛む時間も20分必要とか、色々な見解があります。
 参照⇒歯科専用のキシリトールガムは効果大/市販品との違いは? (辰巳 光世氏〔歯科衛生士〕)
 ⇒しまだ歯科こども歯科クリニック

また、キシリトール成分が溶けだした唾液を口の中に5分以上溜めておくと、効果が期待できるとされます。
 参照⇒虫歯予防に役立つ!キシリトールの効果的な食べ方と選び方 (鎌田 瑞乃氏〔歯科衛生士〕)



4. キシリトール摂取のタイミング


キシリトール摂取のタイミングについては、その効能から考えると食前がベストかと思われます(管理人の見解です)。

その理由は、以下の二点です。

① 歯垢の中に存在する、ショ糖を分解する酵素の活性を、食事の前にあらかじめ低下させておくことで、食事中のショ糖の分解とそれによる酸の産生を抑えることができる。

② 食事の前にあらかじめミュータンス菌に取り込ませることで菌を満腹の状態にし、食物に含まれる糖類の取り込みとそれによる酸の産生を抑止できる。

上記①に関して、もしキシリトールを摂るのが食後だと、すでに食事によって酵素が働いて脱灰している状態ですから、ここで酵素の活性を下げても意味は薄くなります。

また②に関して、ミュータンス菌は、口の中に食物が入った瞬間に糖を分解して酸を出すとされています。
 参照⇒虫歯治療|奈良の歯医者 薬師寺歯科・矯正歯科

つまり、ミュータンス菌は食事の最中にすでに糖類を取り込んでいるので、食事の後にキシリトールを摂っても、菌への取り込みは緩慢になるのではないでしょうか。

これと同じ指摘は見当たりませんが、理屈は通っている筈です。
参考にしていただければと思います。



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虫歯の進行を自力で止める2-7 ~乳酸菌(L.ロイテリ菌) 

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[ 2017/09/15 00:52 ] 歯の病気(虫歯) 虫歯 製品編 | TB(0) | CM(-)

新説「虫歯は金属腐食である」①(虫歯の進行を自力で止める3-1)

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虫歯とは、虫歯菌のつくる酸によって歯が脱灰することであるというのが現在の歯科医学の常識です。
ところが、近年、これを否定する重要な新説が提示されています。それによると、虫歯とは酸による脱灰ではなく金属腐食であると言います。

この説を提唱者しているのは開業歯科医師のmabo400氏です。ただし、実名は分かりません。
この記事では、mabo400氏の新説である金属腐食説をご紹介します。

参照サイトは、全てmabo400氏のブログ「I歯科医院の高楊枝通信。」です。


1. 歯は金属であり、金属は腐食する


mabo400氏は、実験の結果、歯は、虫歯菌が産生するpH3~4程度の酸によって溶けることはなかった、と言います。
 参照⇒酸で歯が溶ける? (2)  (括弧内の数字はブログへのコメント数。以下同)

また、そもそも歯はリン酸とカルシウム(アルカリ土類金属)で構成される金属の一種であり、電導性を有する物質である、とmabo400氏は言います。
mabo400氏は歯に電極を取り付け、pH2の塩酸中に入れて通電することで、これを確認しています。

そしてmabo400氏は、虫歯とは金属腐食と同じ電気化学的腐食である、と言います。
金属腐食とは、金属Mから電子e-が奪われ、電子e-を奪われた金属MはM+(金属イオン)となって溶出する、という現象です。
mabo400氏はこの説を「虫歯の電気化学説」と呼んでいます。

金属腐食には「酸素消費型腐食」と「異種金属接触腐食」の二つがあります。
そして、「酸素消費型腐食」は「微生物腐食」と「すき間腐食」の二つに細分されます。

 参照⇒虫歯の原因と予防法のまとめ
    ⇒虫歯の原因とその電気化学的メカニズム (2)



2. 微生物腐食 ① 酸素呼吸


微生物腐食としての虫歯では、虫歯菌ないし口内細菌による、二つの作用が虫歯を発生・進行させます。
その一つ目は、酸素呼吸です。

バイオフイルムの中では細菌が酸素呼吸をしているので、酸素濃度が低くなります。
そのため、バイオフイルムの深い所と表面に近い所との間で酸素濃度の差(酸素濃度勾配)が生じます。

このとき、
酸素濃度が高い方が陰極となり電子e-を奪い、
酸素濃度が低い方が陽極となり電子e-を奪われ溶出(腐食)する
とされます。

そして、陽極と陰極の間では「局部電池」が形成され、電子e-の流れと逆方向に電気が流れます。
この現象は「通気差腐食」とか「濃淡電池」と呼ばれ、古くから知られています。

つまり、歯の表面で細菌が酸素呼吸をすることで、酸素濃度の低くなった所のカルシウムが高い所から電子e-を奪われ、カルシウムイオンとなって溶け出すことになります。

参照ページは次項に記載します。



3. 微生物腐食 ② 酸の生成


虫歯菌ないし口内細菌が、微生物腐食としての虫歯を発生・進行させる二つ目の作用は、酸の生成です。

虫歯菌は糖類を分解して酸を生成します。酸とは、水に溶けて水素イオンH+を放出する物質です。

ところで、通気差腐食の際、酸素濃度の高い場所で起こっている化学反応は、
O2+4H++4e-→2H2O  ~1式
O2+2H2O+4e-→4OH- ~2式
となります。
H+があると、上記の1式の反応が進みます。

つまり、細菌の呼吸による通気差腐食のさい、虫歯菌によってつくられる酸が腐食を促進する<、ということです。

 以上、微生物腐食につき、参照⇒虫歯の原因と進行を止める方法
 ⇒虫歯の原因とその電気化学的メカニズム (2) (前掲ページ)
 ⇒虫歯は金属腐食の一形態4

mabo400氏は、微生物腐食としての虫歯を以上のように説明しています。

ただし、当ブログ管理人の考えでは、電子を奪うのはバイオフィルムの表面付近ではなく、歯の表面でバイオフィルムの少ない(または無い)場所ではないかと思われます。
後者は前者よりさらに酸素濃度が高くなるためです。

この場合、バイオフイルムの多い(またはある)場所と少ない(または無い)場所との間で局部電池が形成されます。
そして、バイオフィルム内外の虫歯菌がつくった酸、または酸性の飲食物の酸が、そこで酸素および電子と結合するものと思われます。
実際、mabo400氏のブログにも、このことを示す説明と図が載っています。
 参照⇒ほんとうの虫歯の発生メカニズム



3. すき間腐食


さて、ここまでなら、口内細菌の活動によって虫歯が発生・進行するという点で、通説とこの金属腐食説との間で大きな違いはありません。

しかし、金属腐食説によると、すき間腐食や異種金属接触腐食のような場合は細菌がそこに付着していなくても虫歯が発生・進行する、とされます。

すき間腐食とは、金属の表面にできた細い溝や小さな穴の奥と外で酸素濃度差が生じることによって、局部電池が形成され、溝や穴の中で起こる腐食です。
酸素濃度差が生じるのは、一般に酸素濃度はすき間の奥ほど低い傾向があるためです。

このような腐食は細菌がなくても起こりますが、すき間の中に細菌が付着すると、細菌の呼吸によって酸素濃度差が大きくなり、腐食がより促進されます。

 参照⇒ほんとうの虫歯の原因(酸で歯が溶ける?その4)
 ⇒虫歯の原因とその電気化学的メカニズム (2) (前掲ページ)

虫歯の場合で言うと、「咬合面の小窩裂溝ウ蝕」と言って、歯の噛み合わせの面や、歯の側面にある溝やくぼみにできた虫歯が下に深くなっていくのが、このパターンです。
また、詰め物と歯の間で接着剤がはがれ、すき間ができ、虫歯になる場合も同じです。


長くなるので、一度切ります。
虫歯の進行を自力で止める3-2 ~新説「虫歯は金属腐食である」 ②に続きます。


関連記事
新説「虫歯は金属腐食である」②(虫歯の進行を自力で止める3-2)

新説「深い虫歯も重曹で治る」① ~効く仕組み(虫歯の進行を自力で止める3-3)

新説「深い虫歯も重曹で治る」② ~唾液より重曹水が有利(虫歯の進行を自力で止める3-4) 

新説「深い虫歯も重曹で治る」③ ~虫歯の穴にも重曹が効く(仮説)〔1〕(虫歯の進行を自力で止める3-5)

新説「深い虫歯も重曹で治る」④ ~虫歯の穴にも重曹が効く(仮説)〔2〕(虫歯の進行を自力で止める3-6)

新説「深い虫歯も重曹で治る」⑤ ~治った実例(虫歯の進行を自力で止める3-7)
     
新説「深い虫歯も重曹で治る」⑥ ~効果的な方法と注意点(虫歯の進行を自力で止める3-8) 

新説「深い虫歯も重曹で治る」⑦ ~この説は嘘なのか?(1)(虫歯の進行を自力で止める3-9)

新説「深い虫歯も重曹で治る」⑧ ~この説は嘘なのか?(2)(虫歯の進行を自力で止める3-10)

新説「深い虫歯も重曹で治る」⑨ ~この説は嘘なのか?(3)(虫歯の進行を自力で止める3-11)
 
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新説「虫歯は金属腐食である」②(虫歯の進行を自力で止める3-2)

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虫歯の進行を自力で止める3-1 ~新説「虫歯は金属腐食である」 ①の続きです。


1. 異種金属接触腐食とは


金属は、水または電解液中(電気が流れやすい状況)で、条件が揃えば電子e-を放出して陽イオンになり、溶け出します。

どのくらい陽イオンになり易いかは、金属の種類によって異なります。
金属を陽イオンになり易い順に並べたものを「イオン化傾向」といいます。
イオン化傾向の高いものを「電位が低い」、その逆を「電位が高い」とも言います。

そして、異なる金属を水または電解液中で接触させた場合、電位の低い金属は電子を放出し、陽イオン化して腐食します
それが「異種金属接触腐食」です。

 参照⇒ガルバニック腐食|ステンレス配管のベンカン
 ⇒ステンレスと異種金属との接触についての問題点 - ステンレス協会



2.異種金属接触腐食としての虫歯の二つのパターン


mabo400氏の「虫歯の電気化学説」によると、異種金属接触腐食としての虫歯には、以下の二つのパターンがあります。

① 象牙質が溶ける異種金属接触腐食


これは、象牙質が虫歯や歯周病などで露出したとき、エナメル質は溶けずに象牙質だけが溶ける現象です。
酸で溶けるのならエナメル質も一緒に溶けるはずですが、そうはならないようです。

その原因は、象牙質がエナメル質よりイオン化傾向が高いので、接しているエナメル質に電子を奪われ、陽イオン化するためです。

 参照⇒ほんとうの虫歯の原因シリーズ2 (8)
 ⇒ほんとうの虫歯の原因(酸で歯が溶ける?その4) 
 ⇒歯根面ウ蝕は異種金属接触腐食、 (4)


② 詰め物が原因の異種金属接触腐食


これは、歯と詰め物の金属との間の電位差によって歯が溶ける現象です。
詰め物として使われる歯科用合金は、いずれも歯よりイオン化傾向が低いため、歯を溶かしてしまいます。

ただし、上に挙げたどちらの腐食も、酸性溶液中でのみ起こり、水素イオンH+がない中性およびアルカリ性溶液中では起こりません。
虫歯菌のつくる酸や、酸性の飲食物によって口内pHが低下することで、このパターンの腐食が起こります。

 参照⇒歯と金属間の電位差 (3)
 ⇒虫歯の原因とその電気化学的メカニズム (2) 

このような腐食を防ぐには、金属が完全に電気的に絶縁されていなければなりませんが、これは事実上不可能です。
 参照⇒虫歯の原因と予防法のまとめ 



3. 定説への疑問


以上が、歯科医学の定説に異を唱えるmabo400氏の「虫歯の電気化学説」です。

虫歯は、細菌の出す酸で歯が溶ける現象であるとする現在の歯科医学の定説は、100年以上も前から唱えられているそうです。
とすると、この100年の間、自然科学の様々な分野で得られた知見が、歯科医学には(虫歯に関しては)反映されていないということになりそうです。
そして、その例が、mabo400氏が依拠する金属腐食工学の知識ではないでしょうか。

無論、定説が100年前の時点ですでに完成の域に達していたという見方もあるでしょう。
しかし、mabo400氏の実験では歯を酸に浸しても溶けないうえ、特に異種金属接触腐食については、定説よりも金属腐食説の方が歯の溶け方を的確に説明できます。
 
よって、通説の妥当性と、これを墨守する現在の歯科医学の姿勢には疑問を持たざるをえません。
今後の歯科医学界がこの新説をどのように遇するのか、注目して参りましょう。


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新説「深い虫歯も重曹で治る」① ~効く仕組み(虫歯の進行を自力で止める3-3)

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新説「深い虫歯も重曹で治る」⑨ ~この説は嘘なのか?(3)(虫歯の進行を自力で止める3-11)
 
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虫歯の進行を自力で止める1-2 ~押さえておくべき虫歯の基礎知識 ②

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虫歯の進行を自力で止める1-1 ~押さえておくべき虫歯の基礎知識 ①の続きです。


1. 虫歯菌は殺せるか


糖類一切抜きの食生活が無理なら、殺菌作用のある薬剤などで虫歯菌を殺せば良いのではないか、という発想が出てくるわけですが、一般的に虫歯菌は完全には殺すことができない、と言われています。
というのも、普通は、虫歯菌の巣である歯垢(バイオフイルム)の内部には薬剤が入り込めないからです。
 参照⇒「バイオフィルム」ってなに? | ますだ歯科

しかも、やっかいなことにバイオフイルムは水や唾液には溶けにくく、また接着性が強いため洗い流すこともできません。
それどころか、表面は歯ブラシで落とせますが、内面(歯にくっついた側)は歯ブラシでも落とせないと言われています。
 参照⇒しのざき歯科医院 虫歯の話

詰め物の下など、歯ブラシの毛先の届かない所にあるバイオフィルムは、なおさらです。
そうなると、ますます、歯垢が残っていても虫歯を防ぐ方法が必要になってきます。

あきらめずに調べてみると、なんとかバイオフィルム内の虫歯菌を殺したり減らす可能性のある製品が見つかりました。
たとえば、一部の歯科医院でも使われている「パーフェクトペリオ」という殺菌水や、ライオン社の液体歯磨き「システマEX」です(ただし、いずれも臨床試験レベルまで行っていないので、あくまでも『可能性のある製品』です)。

また、乳酸菌やライオン社の洗口液「クリニカクイックウォッシュ」など、歯垢を分解する作用をもつ製品もあります。
さらに、フッ素やMIペーストの使用など、虫歯菌による酸の産生や脱灰を抑えることで虫歯の進行を止める方法も発見できました。

このブログの他の記事(全記事一覧から飛んでください)で、それらの製品の詳細をお伝えするとともに、詰め物と歯の隙間にある虫歯の進行を阻止するうえで、私がそれらを使用した結果もご紹介いたします。



2. 虫歯になりやすい体質


虫歯になりやすいかどうかは個人差があります。普段から甘い食べものは控えていて、歯磨きもきちんとしているのに、虫歯になりやすい人がいます。
この次の記事でご説明する食習慣に問題がなければ、それは体質が原因です。

虫歯になりやすい体質には、次のものがあります。

① 唾液の緩衝能が低い
緩衝能とは、飲食によって歯垢の中が酸性になったとき、唾液の中の重炭酸塩がこれを中和する力です。
この力が低いと、歯垢内が酸性化している時間が長くなり、その間歯は脱灰し続けるので、虫歯が発生・進行しやすくなります。

② 唾液の量が少ない
唾液には、緩衝能のほか、口の中を洗浄する働きや抗菌作用がありますから、唾液の分泌量が少ないと、虫歯菌の増殖を抑えにくくなります。

③ 口の中の虫歯菌の数が多い
言うまでもなく、虫歯菌の数が多いほど、虫歯のリスクは高まります。

④ 歯の質が弱い
歯の形成段階での石灰化が不十分で、エナメル質や象牙質の無機質が不足している場合、虫歯に弱い歯となります。

⑤ 歯並びが悪い
歯並びが悪いと、歯ブラシが届きにくい部分ができ、そこに歯垢がたまって虫歯が発生しやすくります。

以上、①から⑤まで、参照⇒虫歯になりやすい!?サリバテスト(唾液検査)でむし歯リスクが判明 | 長谷川歯科医院
 ⇒歯磨きしても虫歯になるのはなぜ?? (かみむら歯科クリニック)

食習慣に問題がないのに虫歯になりやすい方は、歯科医院で唾液検査を受けてみられると良いでしょう。上記①から③までが分かります。


虫歯の進行を自力で止める1-3 ~知らないとヤバい基本の方法 ①に続きます。


関連記事
虫歯の進行を自力で止める1-1 ~押さえておくべき虫歯の基礎知識 ①
虫歯の進行を自力で止める1-3 ~知らないとヤバい基本の方法 ①
虫歯の進行を自力で止める1-4 ~知らないとヤバい基本の方法 ②

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虫歯 新説・異説編
 

[ 2017/09/23 21:04 ] 歯の病気(虫歯) 虫歯 基礎編 | TB(0) | CM(-)

虫歯の進行を自力で止める1-4 ~知らないとヤバい基本の方法 ②

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ご注意 (必ずお読みください)

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ここから記事本文です。
 
虫歯の進行を自力で止める1-3 ~知らないとヤバい基本の方法 ①の続きです。


1. 食べかすの除去は必須


虫歯の進行を止めるために虫歯菌を殺菌したり、歯の再石灰化を図るとしても、それと並行して、食後必ず口の中の食べかすを除去することが、虫歯の進行阻止の絶対条件となります。

なぜなら、細菌は食べかすに含まれる有機質を栄養源にして活発化するため、食べかすがあるとそこに菌が繁殖してしまい、歯垢となるからです。
 参照⇒「プラーク」と「バイオフィルム」と「歯石」の違い 東京国際クリニック/歯科
 ⇒食べかすとプラーク(歯垢)の違いを知って虫歯予防に有効なプラークコントロールを!

ですので、詰め物と歯の隙間に入った食べかすを放置すると、当然それも歯垢となって新たな虫歯の原因となります。
もし虫歯菌を殺菌するとしても、食べかすが隙間をふさぐと、その奥の歯垢を殺菌できなくなってしまいます。

たとえ、おやつを少しつまんだだけでも、油断してはいけません。食べる量が少しであっても、必ず食べかすを取り除いてください。

特に、もし象牙質まで虫歯が進行しているのであれば、なおさらです。
私は以前、象牙質の虫歯があるのにお菓子を間食し、そのあと食べかすを除去しない時期があったので、虫歯の進行を止めることに失敗したことがあります。

ところで、食後の食べかすの除去といえば、普通は歯磨きです。
しかし、最近では、食後30分間は歯が脱灰しているので、このとき歯磨きをすると歯が削れてしまうため、歯磨きは食後30分経ってからにするべきと言われています。



2. 口を水でゆすぐのは?


食後の歯磨きと言っても、仕事などの都合上、なかなか時間がとれない場合もあるでしょう。
そんなときでも、食べかすの除去をあきらめないでください。水で口をゆすぐだけでも効果はあります。

実は、ゆすぐだけでも食べかすの大半は除去できると言われています。
 参照⇒歯磨きは食後いつするのがベストか? ほのぼの歯科・矯正歯科

砂糖も水に溶けやすいので、ゆすげば直ちに洗い流すことができます。
 参照⇒虫歯と虫歯予防のすべて17 ひぐち歯科クリニック

私は体質上、虫歯になりにくいほうなので歯磨きは毎晩寝る前一回だけで、食後は水で口を丁寧にゆすぐだけです。
水を口に含み、水が奥歯に当るように左右それぞれ25回ぐらいずつ、水を強く速く往復させます(必要なら前歯も)。水を替えて、もう一度これを行ないます。

【補足】
もっとも、現在は朝起きたときと毎食後、重曹水で口をゆすいでいます。私の経験では重曹洗口が最強です。虫歯があっても改善します。
 参照⇒新説「深い虫歯も重曹で治る」⑤ ~治った実例(虫歯の進行を自力で止める3-7)
【補足おわり】
 
私は平成20年に虫歯を発見されましたが、1年半ほど、夜寝る前にキシリトール洗口をして、そのあと6年間は水でゆすぐだけで(ただし、そのうち約2年間はライオン社の「システマEX」を併用)虫歯の進行を遅らせました(これについては別の記事に書きます)。

ただし、歯垢内pHは、水でゆすいでも元には戻りません。と言っても、それは歯磨きでも同じです。
ただ、どちらの場合も戻る時間は多少なり短くなると言われています。
 参照⇒きたじま歯科医院 -診療のご案内 - 虫歯について知ろう!

歯垢内pHを元に戻すには、唾液に含まれる炭酸水素イオンの働きが必要です(重曹水なら炭酸水素イオンを豊富に含むので、pHを戻すには最適です)。

また、虫歯がエナメル質だけの方はお茶でゆすいでも構いませんが、象牙質まで達している場合は、やめておくべきです。
エナメル質の臨界pHは5.5ですが、象牙質は6.7となっており、お茶のpHである6.2より高いからです。
 参照⇒清涼飲料水の飲み過ぎで歯が溶けるって本当!?[美ログ] | スキンケア大学 



3. 寝る前の歯磨きはなぜ大事か


歯磨きは最低でも一日一回、夜寝る前に行なうべきとされています。その理由は、こうです。

A もし夕食後や夜食後に歯を磨かず、食べかすが残っていると、睡眠中にそこに細菌が繁殖し、歯垢になります
B 虫歯菌は、たとえ口の中に糖類がなくても、歯垢(バイオフィルム)を構成するグルカンをも分解し、酸をつくり出して歯を脱灰します。
 参照⇒しのざき歯科医院 虫歯の話

これに対し、通常、人が起きているときは、
a 唾液の中の免疫抗体であるリゾチーム、ペルオキシダ―ゼ、ラクトフェリンなどの抗菌作用が、歯垢の形成・増大を抑制します
b また、唾液に含まれる炭酸水素イオンが口内や歯垢内の酸を中和し、歯の溶解を防ぎます。 
 参照⇒う蝕の基本的な知識(日吉歯科診療所)
   ⇒唾液の機能・抗菌作用 (広川歯科医院)

ところが、睡眠中は唾液の分泌量が減ってしまうため、唾液による抗菌作用や酸の中和作用が期待できません。
従って、もしこのとき食べかすや歯垢が残っていると、新たな歯垢の形成や歯の脱灰を止められなくなります。

ただ、その歯垢自体をあらかじめ殺菌しておけばよいという理屈も成り立ちますが、歯垢は少ないに越したことはありません。



4. 寝る前の飲食は自殺行為


寝る前の飲食は、たとえすぐに歯磨きをする場合でも、厳禁です。
というのも、上に述べたように、飲食によって下がった歯垢内pHは、歯磨きをしてもすぐには元に戻りません。
そして、睡眠中は、酸の中和や再石灰化に必要な唾液がほとんど分泌されないため、歯垢内pHが低い状態が数時間続いてしまい、その間、歯は脱灰し続けることになるからです。
 参照⇒長野県松本市の歯科医院 小川歯科クリニック -虫歯・歯周病とは-



5. 朝も歯磨きか口ゆすぎを


前の記事で述べたように、歯垢は歯磨きでは完全には落とせません。夜に歯を磨いても、残った歯垢は、唾液の減る睡眠中に増えてしまいます。

ですので、虫歯になりやすい方は、寝る前だけでなく朝起きてすぐ歯磨きをして、できるだけ歯垢を落としておきましょう。

もし、どうしても歯を磨く時間がとれないなら、飲食の前に水で口を丁寧にゆすぎ、うがいをしてください。
ちなみにこれは、虫歯というより腸内環境にかかわることなので、虫歯になりにくい方も同じです。

どういうことかというと、睡眠中は唾液が減ることから、口の中全体の細菌が激増します。
起床後、これを除去しないまま飲食すると、増えた細菌まで一緒に飲み込んでしまいます。
その中には腸内環境に悪影響を与えるものもあるので、起床後は飲食の前に必ず歯を磨くか水で口をゆすぎ、うがいをするべき、ということです。
 参照⇒【軟便対策】これだけは、やってはならない (当ブログ記事)


以上、気をつけるべきことはいくつもありますが、これらを守ることで結果は全く違ってくるはずです。
今日からすぐ始められることばかりですので、是非実践してください。


関連記事
虫歯の進行を自力で止める1-1 ~押さえておくべき虫歯の基礎知識 ①
虫歯の進行を自力で止める1-2 ~押さえておくべき虫歯の基礎知識 ②
虫歯の進行を自力で止める1-3 ~知らないとヤバい基本の方法 ①

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[ 2017/09/25 00:29 ] 歯の病気(虫歯) 虫歯 基礎編 | TB(0) | CM(-)

新説「深い虫歯も重曹で治る」① ~効く仕組み(虫歯の進行を自力で止める3-3)

当ブログを初めて閲覧される方は、まずこちら↓をお読みください。
ご注意 (必ずお読みください)

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お勧め度・・・★★☆(この方法は歯科医師が勧めていますが、他の歯科医師からは否定論も出されており、また臨床試験も通っていないため、星は二つとさせていただきます)

新説「虫歯は金属腐食である」 ②(虫歯の進行を自力で止める3-2)の続きです。
 
「虫歯の電気化学説」を唱える歯科医師のmabo400氏が、虫歯の対処法として勧めるのは重曹を使った洗口です。
しかも、重曹洗口なら深い虫歯でも修復して治すことができる、と言います。

この記事では、「虫歯の電気化学説」を簡単におさらいした上で、重曹洗口が虫歯を抑制する仕組みをご紹介します。
「理屈はいいから方法を早く知りたい」という方は、新説「深い虫歯も重曹で治る」⑥ ~効果的な方法と注意点(虫歯の進行を自力で止める3-8)をお読みください。

参照サイトは、特に明記したもののほかは、全てmabo400氏のブログ「I歯科医院の高楊枝通信。」です。


1. 「虫歯の電気化学説」の概要


「虫歯の電気化学説」では、虫歯は金属腐食であって、「酸素消費型(通気差)腐食」か「異種金属接触腐食」のいずれかとして起こる、とされます。
前者は「微生物腐食」と「すき間腐食」のいずれかとして、または複合として起こります。


① 微生物腐食


微生物腐食の虫歯では、細菌の呼吸により、バイオフィルムの深い所と表面に近い所(またはバイオフィルムが多い所と少ない所)との間で酸素濃度の差が生じます。
そして、酸素濃度が高い所は、低い所からカルシウムの電子e-を奪います。
電子を奪われたカルシウムは陽イオン化(Ca+)して溶出(腐食)します。

この反応の際、虫歯菌が生成した酸(水素イオンH+)があると、酸素濃度の高い場所で起こっている化学反応(O2+4H++4e-→2H2O)が促進され、その分、カルシウムの溶出も早まります。


② すき間腐食


すき間腐食の虫歯は、歯の表面にできた細い溝や小さな穴の奥と外で酸素濃度差が生じることによって起こります。これは、一般に酸素濃度はすき間の奥ほど低い傾向があるためです。
この腐食は細菌がなくても起こりますが、ここに細菌が付着すると、細菌の呼吸によって酸素濃度差が大きくなり、腐食がより早まります。


③ 異種金属接触腐食


異種金属接触腐食とは、電気が流れやすい状況で、異なる金属を接触させた場合、電位の低い金属が電子を放出し、陽イオン化して腐食する現象です。

これには、象牙質が虫歯や歯ぐき下がりなどで露出したとき、エナメル質は溶けずに象牙質だけが溶ける場合と、歯と詰め物の金属との間の電位差によって歯が溶ける場合とがあります。
この腐食は、水素イオンのある酸性環境下でのみ起こります。



2. 重曹洗口が虫歯に効く仕組み


① 虫歯を止めるための要件


虫歯の発生・進行の仕組みが上のような金属腐食によるものであるとすると、これを止めるために必要なことは、

  • A 細菌の呼吸を抑制する(→酸素の濃度差を緩和する)

  • B 細菌による酸の生成を抑制する(→酸素濃度の高い場所で起こる化学反応を抑え、また異種金属接触腐食としての虫歯を防ぐ)

  • C 細菌の生成した酸、および飲食物に含まれる酸を中和し、口内環境をアルカリ性にもっていく(同上)

の三つとなります。
 
そして、この三つを同時に実現するのが重曹の水溶液による洗口である、とmabo400氏は説きます。
その理由は、以下の通りです。


② 重曹洗口の効果:口内環境のアルカリ化と歯の再石灰化の促進


重曹を水に溶かすと電離してナトリウムと炭酸水素イオンになります。
NaHCO3 → Na+ HCO3-

そして、炭酸水素イオンは酸(水素イオンH+)と結合してこれを中和し、最終的に水と二酸化炭素になります。
HCO3- + H+ → H2CO3 → H2O(水)+ CO2(二酸化炭素)

水素イオンH+を受け取る(または水酸化物イオンOH-を放出する)物質を塩基と呼びます。
塩基の溶けた水溶液が示す性質をアルカリ性と言います。

つまり、重曹を水に溶かすとアルカリ性の水溶液となるため、これで洗口すると酸が中和され、口内環境がアルカリ性になるということです。
これで、まず上記Cが達成されます。

さらに、唾液中のリン酸イオン、カルシウムイオンは、pHが高いときは過飽和になるため、再石灰化も起こり易くなります。 


③ 重曹洗口の効果:虫歯菌の活動抑制


次に、虫歯菌の解糖酵素が効率よく働くpHは低いので、pHが高いアルカリ性環境下では酵素の活性が低下します。
その結果、酸の生成と、それにともなう呼吸による酸素の消費も抑制されます
これで、AとBも達成されます。

ちなみに、もともと唾液にも炭酸水素イオン(を含む重炭酸塩)が含まれていて、酸を中和する働き(緩衝能)があることは歯科医学の常識です。
ところが、上で見たように重曹も炭酸水素イオンを含むわけですから、重曹で口をゆすげば緩衝能が高まるはずですが、どういうわけか誰もこのことに気づかなかったようだとmabo400氏は述べています。

 以上①、②、③につき、参照⇒重曹が虫歯に効くワケ (67) (括弧内の数字はブログへのコメント数。以下同)
 ⇒虫歯の原因とその電気化学的メカニズム(2)
 ⇒酸で歯が溶ける?その2


④ まとめ


以上をまとめると、重曹洗口によって、

  • 細菌や飲食物による酸の中和(=口内環境のアルカリ化)

  • 細菌による酸の生成と呼吸の阻止
  •  
  • 再石灰化の促進

の全てが一挙に達成されるということです。
 
このような根拠から、mabo400氏は飲食後はすみやかに重曹を水に溶かして口をゆすぐことを推奨しています。

ちなみに、仮に金属腐食説が間違いで、定説の通り、虫歯は酸によって歯が溶ける現象であるとしたら、どうでしょうか。
その場合でも、重曹洗口なら酸を直ちに中和し、再石灰化を促すので、虫歯の予防や進行の阻止に効果があるのは間違いないと考えられます。


新説「深い虫歯も重曹で治る」② ~唾液より重曹水が有利(虫歯の進行を自力で止める3-4)に続きます。 


関連記事
新説「虫歯は金属腐食である」①(虫歯の進行を自力で止める3-1)

新説「虫歯は金属腐食である」②(虫歯の進行を自力で止める3-2)

新説「深い虫歯も重曹で治る」② ~唾液より重曹水が有利(虫歯の進行を自力で止める3-4) 

新説「深い虫歯も重曹で治る」③ ~虫歯の穴にも重曹が効く(仮説)〔1〕(虫歯の進行を自力で止める3-5)

新説「深い虫歯も重曹で治る」④ ~虫歯の穴にも重曹が効く(仮説)〔2〕(虫歯の進行を自力で止める3-6)

新説「深い虫歯も重曹で治る」⑤ ~治った実例(虫歯の進行を自力で止める3-7)

新説「深い虫歯も重曹で治る」⑥ ~効果的な方法と注意点(虫歯の進行を自力で止める3-8) 
  
新説「深い虫歯も重曹で治る」⑦ ~否定論の嘘(虫歯の進行を自力で止める3-9)

新説「深い虫歯も重曹で治る」⑧ ~重曹による虫歯の再生(仮説)〔1〕(虫歯の進行を自力で止める3-10)

新説「深い虫歯も重曹で治る」⑨ ~重曹による虫歯の再生(仮説)〔2〕(虫歯の進行を自力で止める3-11)
 
 
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