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虫歯の進行を自力で止める1-4 ~知らないとヤバい基本の方法 ②

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虫歯の進行を自力で止める1-3 ~知らないとヤバい基本の方法 ①の続きです。


1. 食べかすの除去は必須


虫歯の進行を止めるために虫歯菌を殺菌したり、歯の再石灰化を図るとしても、それと並行して、食後必ず口の中の食べかすを除去することが、虫歯の進行阻止の絶対条件となります。

なぜなら、細菌は食べかすに含まれる有機質を栄養源にして活発化するため、食べかすがあるとそこに菌が繁殖してしまい、歯垢となるからです。
 参照⇒「プラーク」と「バイオフィルム」と「歯石」の違い 東京国際クリニック/歯科
 ⇒食べかすとプラーク(歯垢)の違いを知って虫歯予防に有効なプラークコントロールを!

ですので、詰め物と歯の隙間に入った食べかすを放置すると、当然それも歯垢となって新たな虫歯の原因となります。
もし虫歯菌を殺菌するとしても、食べかすが隙間をふさぐことで、その奥の歯垢を殺菌できなくなってしまいます。

たとえ、おやつを少しつまんだだけでも、油断してはいけません。食べる量が少しであっても、必ず食べかすを取り除いてください。

特に、もし象牙質まで虫歯が進行しているのであれば、なおさらです。
私は以前、象牙質の虫歯があるのにお菓子を間食し、そのあと食べかすを除去しない時期があったので、虫歯の進行を止めることに失敗したことがあります。

ところで、食後の食べかすの除去といえば、普通は歯磨きです。
しかし、最近では、食後30分間は歯が脱灰しているので、このとき歯磨きをすると歯が削れてしまうため、歯磨きは食後30分経ってからにするべきと言われています。



2. 口を水でゆすぐのは?


食後の歯磨きと言っても、仕事などの都合上、なかなか時間がとれない場合もあるでしょう。
そんなときでも、食べかすの除去をあきらめないでください。水で口をゆすぐだけでも効果はあります。

実は、ゆすぐだけでも食べかすの大半は除去できると言われています。
 参照⇒歯磨きは食後いつするのがベストか? ほのぼの歯科・矯正歯科

砂糖も水に溶けやすいので、ゆすげば直ちに洗い流すことができます。
 参照⇒虫歯と虫歯予防のすべて17 ひぐち歯科クリニック

私は体質上、虫歯になりにくいほうなので歯磨きは毎晩寝る前一回だけで、食後は水で口を丁寧にゆすぐだけです。
水を口に含み、水が奥歯に当るように左右それぞれ25回ぐらいずつ、水を強く速く往復させます(必要なら前歯も)。水を替えて、もう一度これを行ないます。

私は平成20年に虫歯を発見されましたが、(1年半ほどキシリトール洗口をしたあと)この方法だけで少なくとも2年間、その後ライオン社の「システマEX」との併用で約3年間、計5年間にわたって進行を遅らせました(これについては別の記事に書きます)。

ただし、歯垢内pHは、水でゆすいでも元には戻りません。と言っても、それは歯磨きでも同じです。
ただ、どちらの場合も戻る時間は多少なり短くなると言われています。
 参照⇒きたじま歯科医院 -診療のご案内 - 虫歯について知ろう!

歯垢内pHを元に戻すには、唾液に含まれる重炭酸塩の働きが必要です。

また、虫歯がエナメル質だけの方はお茶でゆすいでも構いませんが、象牙質まで達している場合は、やめておくべきです。
エナメル質の臨界pHは5.5ですが、象牙質は6.7となっており、お茶のpHである6.2より高いからです。
 参照⇒清涼飲料水の飲み過ぎで歯が溶けるって本当!?[美ログ] | スキンケア大学 



3. 寝る前の歯磨きはなぜ大事か


歯磨きは最低でも一日一回、夜寝る前に行なうべきとされています。その理由は以下の二つです。

A もし夕食後や夜食後に歯を磨かず、食べかすが残っていると、睡眠中にそこに細菌が繁殖し、歯垢になります
B 虫歯菌は、たとえ口の中に糖類がなくても、歯垢(バイオフィルム)を構成するグルカンをも分解し、酸をつくり出して歯を脱灰します。
 参照⇒しのざき歯科医院 虫歯の話

通常、人が起きているときは、
a 唾液の中の免疫抗体であるリゾチーム、ペルオキシダ―ゼ、ラクトフェリンなどの抗菌作用が、歯垢の形成・増大を抑制します
b また、唾液に含まれる重炭酸塩が口内や歯垢内の酸を中和し、歯の溶解を防ぎます。 
 参照⇒う蝕の基本的な知識(日吉歯科診療所)
   ⇒唾液の機能・抗菌作用 (広川歯科医院)

ところが、睡眠中は唾液の分泌量が減ってしまうため、唾液による抗菌作用や酸の中和作用が期待できません。
従って、もしこのとき食べかすや歯垢が残っていると、新たな歯垢の形成や歯の脱灰を止められなくなります。

ただ、その歯垢自体をあらかじめ殺菌しておけばよいという理屈も成り立ちますが、歯垢は少ないに越したことはありません。



4. 寝る前の飲食は自殺行為


寝る前の飲食は、たとえすぐに歯磨きをする場合でも、厳禁です。
というのも、上に述べたように、飲食によって下がった歯垢内pHは、歯磨きをしてもすぐには元に戻りません。
そして、睡眠中は、酸の中和や再石灰化に必要な唾液がほとんど分泌されないため、歯垢内pHが低い状態が数時間続いてしまい、その間、歯は脱灰し続けることになるからです。
 参照⇒長野県松本市の歯科医院 小川歯科クリニック -虫歯・歯周病とは-



5. 朝も歯磨きか口ゆすぎを


前の記事で述べたように、歯垢は歯磨きでは完全には落とせません。夜に歯を磨いても、残った歯垢は、唾液の減る睡眠中に増えてしまいます。

ですので、虫歯になりやすい方は、寝る前だけでなく朝起きてすぐ歯磨きをして、できるだけ歯垢を落としておきましょう。

もし、どうしても歯を磨く時間がとれないなら、飲食の前に水で口を丁寧にゆすぎ、うがいをしてください。
ちなみにこれは、虫歯というより腸内環境にかかわることなので、虫歯になりにくい方も同じです。

どういうことかというと、睡眠中は唾液が減ることから、口の中全体の細菌が激増します。
起床後、これを除去しないまま飲食すると、増えた細菌まで一緒に飲み込んでしまいます。
その中には腸内環境に悪影響を与えるものもあるので、起床後は飲食の前に必ず歯を磨くか水で口をゆすぎ、うがいをするべき、ということです。
 参照⇒【軟便対策】これだけは、やってはならない (当ブログ記事)


以上、気をつけるべきことはいくつもありますが、これらを守ることで結果は全く違ってくるはずです。
今日からすぐ始められることばかりですので、是非実践してください。


関連記事
虫歯の進行を自力で止める1-1 ~押さえておくべき虫歯の基礎知識 ①
虫歯の進行を自力で止める1-2 ~押さえておくべき虫歯の基礎知識 ②
虫歯の進行を自力で止める1-3 ~知らないとヤバい基本の方法 ①

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[ 2017/09/25 00:29 ] 歯の病気(虫歯) 虫歯 基礎編 | TB(0) | CM(-)

虫歯の進行を自力で止める1-2 ~押さえておくべき虫歯の基礎知識 ②

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虫歯の進行を自力で止める1-1 ~押さえておくべき虫歯の基礎知識 ①の続きです。


1. 虫歯菌は殺せるか


糖類一切抜きの食生活が無理なら、殺菌作用のある薬剤などで虫歯菌を殺せば良いのではないか、という発想が出てくるわけですが、一般的に虫歯菌は完全には殺すことができない、と言われています。
というのも、普通は、虫歯菌の巣である歯垢(バイオフイルム)の内部には薬剤が入り込めないからです。
 参照⇒「バイオフィルム」ってなに? | ますだ歯科

しかも、やっかいなことにバイオフイルムは水や唾液には溶けにくく、また接着性が強いため洗い流すこともできません。
それどころか、表面は歯ブラシで落とせますが、内面(歯にくっついた側)は歯ブラシでも落とせないと言われています。
 参照⇒しのざき歯科医院 虫歯の話

詰め物の下など、歯ブラシの毛先の届かない所にあるバイオフィルムは、なおさらです。
そうなると、ますます、歯垢が残っていても虫歯を防ぐ方法が必要になってきます。

あきらめずに調べてみると、なんとかバイオフィルム内の虫歯菌を殺したり減らす可能性のある製品が見つかりました。
たとえば、一部の歯科医院でも使われている「パーフェクトペリオ」という殺菌水や、ライオン社の液体歯磨き「システマEX」です(ただし、いずれも臨床試験レベルまで行っていないので、あくまでも『可能性のある製品』です)。

また、乳酸菌やライオン社の洗口液「クリニカクイックウォッシュ」など、歯垢を分解する作用をもつ製品もあります。
さらに、フッ素やMIペーストの使用など、虫歯菌による酸の産生や脱灰を抑えることで虫歯の進行を止める方法も発見できました。

このブログの他の記事(全記事一覧から飛んでください)で、それらの製品の詳細をお伝えするとともに、詰め物と歯の隙間にある虫歯の進行を阻止するうえで、私がそれらを使用した結果もご紹介いたします。



2. 虫歯になりやすい体質


虫歯になりやすいかどうかは個人差があります。普段から甘い食べものは控えていて、歯磨きもきちんとしているのに、虫歯になりやすい人がいます。
この次の記事でご説明する食習慣に問題がなければ、それは体質が原因です。

虫歯になりやすい体質には、次のものがあります。

① 唾液の緩衝能が低い
緩衝能とは、飲食によって歯垢の中が酸性になったとき、唾液の中の重炭酸塩がこれを中和する力です。
この力が低いと、歯垢内が酸性化している時間が長くなり、その間歯は脱灰し続けるので、虫歯が発生・進行しやすくなります。

② 唾液の量が少ない
唾液には、緩衝能のほか、口の中を洗浄する働きや抗菌作用がありますから、唾液の分泌量が少ないと、虫歯菌の増殖を抑えにくくなります。

③ 口の中の虫歯菌の数が多い
言うまでもなく、虫歯菌の数が多いほど、虫歯のリスクは高まります。

④ 歯の質が弱い
歯の形成段階での石灰化が不十分で、エナメル質や象牙質の無機質が不足している場合、虫歯に弱い歯となります。

⑤ 歯並びが悪い
歯並びが悪いと、歯ブラシが届きにくい部分ができ、そこに歯垢がたまって虫歯が発生しやすくります。

以上、①から⑤まで、参照⇒虫歯になりやすい!?サリバテスト(唾液検査)でむし歯リスクが判明 | 長谷川歯科医院
 ⇒歯磨きしても虫歯になるのはなぜ?? (かみむら歯科クリニック)

食習慣に問題がないのに虫歯になりやすい方は、歯科医院で唾液検査を受けてみられると良いでしょう。上記①から③までが分かります。


虫歯の進行を自力で止める1-3 ~知らないとヤバい基本の方法 ①に続きます。


関連記事
虫歯の進行を自力で止める1-1 ~押さえておくべき虫歯の基礎知識 ①
虫歯の進行を自力で止める1-3 ~知らないとヤバい基本の方法 ①
虫歯の進行を自力で止める1-4 ~知らないとヤバい基本の方法 ②

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[ 2017/09/23 21:04 ] 歯の病気(虫歯) 虫歯 基礎編 | TB(0) | CM(-)

虫歯の進行を自力で止める3-2 ~新説「虫歯は金属腐食である」 ②

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虫歯の進行を自力で止める3-1 ~新説「虫歯は金属腐食である」 ①の続きです。


1. 異種金属接触腐食とは


金属は、水または電解液中(電気が流れやすい状況)で、条件が揃えば電子e-を放出して陽イオンになり、溶け出します。

どのくらい陽イオンになり易いかは、金属の種類によって異なります。
金属を陽イオンになり易い順に並べたものを「イオン化傾向」といいます。
イオン化傾向の高いものを「電位が低い」、その逆を「電位が高い」とも言います。

そして、異なる金属を水または電解液中で接触させた場合、電位の低い金属は電子を放出し、陽イオン化して腐食します
それが「異種金属接触腐食」です。

 参照⇒ガルバニック腐食|ステンレス配管のベンカン
 ⇒ステンレスと異種金属との接触についての問題点 - ステンレス協会



2.異種金属接触腐食としての虫歯の二つのパターン


I氏の「虫歯の電気化学説」によると、異種金属接触腐食としての虫歯には、以下の二つのパターンがあります。

① 象牙質が溶ける異種金属接触腐食


これは、象牙質が虫歯や歯周病などで露出したとき、エナメル質は溶けずに象牙質だけが溶ける現象です。
酸で溶けるのならエナメル質も一緒に溶けるはずですが、そうはならないようです。

その原因は、象牙質がエナメル質よりイオン化傾向が高いので、接しているエナメル質に電子を奪われ、陽イオン化するためです。

 参照⇒ほんとうの虫歯の原因シリーズ2 (8)
 ⇒ほんとうの虫歯の原因(酸で歯が溶ける?その4) 
 ⇒歯根面ウ蝕は異種金属接触腐食、 (4)

② 詰め物が原因の異種金属接触腐食


これは、歯と詰め物の金属との間の電位差によって歯が溶ける現象です。
詰め物として使われる歯科用合金は、いずれも歯よりイオン化傾向が低いため、歯を溶かしてしまいます。

ただし、上に挙げたどちらの腐食も、酸性溶液中でのみ起こり、水素イオンH+がない中性およびアルカリ性溶液中では起こりません。
虫歯菌のつくる酸や、酸性の飲食物によって口内pHが低下することで、このパターンの腐食が起こります。

 参照⇒歯と金属間の電位差 (3)
 ⇒虫歯の原因とその電気化学的メカニズム (2) 

このような腐食を防ぐには、金属が完全に電気的に絶縁されていなければなりませんが、これは事実上不可能です。
 参照⇒虫歯の原因と予防法のまとめ 



3. 定説への疑問


以上が、歯科医学の定説に異を唱えるI氏の「虫歯の電気化学説」です。

虫歯は、細菌の出す酸で歯が溶ける現象であるとする現在の歯科医学の定説は、100年以上も前から唱えられているそうです。
とすると、この100年の間、自然科学の様々な分野で得られた知見が、歯科医学には(虫歯に関しては)反映されていないということになりそうです。
そして、その例が、I氏が依拠する金属腐食工学の知識ではないでしょうか。

無論、定説が100年前の時点ですでに完成の域に達していたという見方もあるでしょう。
しかし、I氏の実験では歯を酸に浸しても溶けないうえ、特に異種金属接触腐食については、定説よりも金属腐食説の方が歯の溶け方を的確に説明できます。
 
よって、通説の妥当性と、これを墨守する現在の歯科医学の姿勢には疑問を持たざるをえません。
今後の歯科医学界がこの新説をどのように遇するのか、注目して参りましょう。


関連記事
虫歯の進行を自力で止める3-1 ~新説「虫歯は金属腐食である」 ①
虫歯の進行を自力で止める3-3 ~新説「深い虫歯も重曹で治る」 ①

上記以外の虫歯関連の記事へは、全記事一覧から飛んでください。
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虫歯の進行を自力で止める3-1 ~新説「虫歯は金属腐食である」 ①

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虫歯とは、虫歯菌のつくる酸によって歯が脱灰することであるというのが現在の歯科医学の常識です。
ところが、近年、これを否定する重要な新説が提示されています。それによると、虫歯とは酸による脱灰ではなく金属腐食であると言います。

この説を提唱者しているのは開業歯科医師のI氏です。ただし、実名は分かりません。
この記事では、I氏の新説である金属腐食説をご紹介します。

参照サイトは、全てI氏のブログ「I歯科医院の高楊枝通信。」です。


1. 歯は金属であり、金属は腐食する


I氏は、実験の結果、歯は、虫歯菌が産生するpH3~4程度の酸によって溶けることはなかった、と言います。
 参照⇒酸で歯が溶ける? (2)  (括弧内の数字はブログへのコメント数。以下同)

また、そもそも歯はリン酸とカルシウム(アルカリ土類金属)で構成される金属の一種であり、電導性を有する物質である、とI氏は言います。
I氏は歯に電極を取り付け、pH2の塩酸中に入れて通電することで、これを確認しています。

そしてI氏は、虫歯とは金属腐食と同じ電気化学的腐食である、と言います。
金属腐食とは、金属Mから電子e-が奪われ、電子e-を奪われた金属MはM+(金属イオン)となって溶出する、という現象です。
I氏はこの説を「虫歯の電気化学説」と呼んでいます。

金属腐食には「酸素消費型腐食」と「異種金属接触腐食」の二つがあります。
そして、「酸素消費型腐食」は「微生物腐食」と「すき間腐食」の二つに細分されます。

 参照⇒虫歯の原因と予防法のまとめ
    ⇒虫歯の原因とその電気化学的メカニズム (2)



2. 微生物腐食 ① 酸素呼吸


微生物腐食としての虫歯では、虫歯菌ないし口内細菌による、二つの作用が虫歯を発生・進行させます。
その一つ目は、酸素呼吸です。

バイオフイルムの中では細菌が酸素呼吸をしているので、酸素濃度が低くなります。
そのため、バイオフイルムの深い所と表面に近い所との間で酸素濃度の差(酸素濃度勾配)が生じます。

このとき、
酸素濃度が高い方が陰極となり電子e-を奪い、
酸素濃度が低い方が陽極となり電子e-を奪われ溶出(腐食)する
とされます。

そして、陽極と陰極の間では「局部電池」が形成され、電子e-の流れと逆方向に電気が流れます。
この現象は「通気差腐食」とか「濃淡電池」と呼ばれ、古くから知られています。

つまり、歯の表面で細菌が酸素呼吸をすることで、酸素濃度の低くなった所のカルシウムが高い所から電子e-を奪われ、カルシウムイオンとなって溶け出すことになります。

参照ページは次項に記載します。



3. 微生物腐食 ② 酸の生成


虫歯菌ないし口内細菌が、微生物腐食としての虫歯を発生・進行させる二つ目の作用は、酸の生成です。

虫歯菌は糖類を分解して酸を生成します。酸とは、水に溶けて水素イオンH+を放出する物質です。

ところで、通気差腐食の際、酸素濃度の高い場所で起こっている化学反応は、
O2+4H++4e-→2H2O  ~1式
O2+2H2O+4e-→4OH- ~2式
となります。
H+があると、上記の1式の反応が進みます。

つまり、細菌の呼吸による通気差腐食のさい、虫歯菌によってつくられる酸が腐食を促進する<、ということです。

 以上、微生物腐食につき、参照⇒虫歯の原因と進行を止める方法
 ⇒虫歯の原因とその電気化学的メカニズム (2) (前掲ページ)
 ⇒虫歯は金属腐食の一形態4

I氏は、微生物腐食としての虫歯を以上のように説明しています。

ただし、当ブログ管理人の考えでは、電子を奪うのはバイオフィルムの表面付近ではなく、歯の表面でバイオフィルムの少ない(または無い)場所ではないかと思われます。
後者は前者よりさらに酸素濃度が高くなるためです。

この場合、バイオフイルムの多い(またはある)場所と少ない(または無い)場所との間で局部電池が形成されます。
そして、バイオフィルム内外の虫歯菌がつくった酸、または酸性の飲食物の酸が、そこで酸素および電子と結合するものと思われます。
実際、I氏のブログにも、このことを示す説明と図が載っています。
 参照⇒ほんとうの虫歯の発生メカニズム



3. すき間腐食


さて、ここまでなら、口内細菌の活動によって虫歯が発生・進行するという点で、通説とこの金属腐食説との間で大きな違いはありません。

しかし、金属腐食説によると、すき間腐食や異種金属接触腐食のような場合は細菌がそこに付着していなくても虫歯が発生・進行する、とされます。

すき間腐食とは、金属の表面にできた細い溝や小さな穴の奥と外で酸素濃度差が生じることによって、局部電池が形成され、溝や穴の中で起こる腐食です。
酸素濃度差が生じるのは、一般に酸素濃度はすき間の奥ほど低い傾向があるためです。

このような腐食は細菌がなくても起こりますが、すき間の中に細菌が付着すると、細菌の呼吸によって酸素濃度差が大きくなり、腐食がより促進されます。

 参照⇒ほんとうの虫歯の原因(酸で歯が溶ける?その4)
 ⇒虫歯の原因とその電気化学的メカニズム (2) (前掲ページ)

虫歯の場合で言うと、「咬合面の小窩裂溝ウ蝕」と言って、歯の噛み合わせの面や、歯の側面にある溝やくぼみにできた虫歯が下に深くなっていくのが、このパターンです。
また、詰め物と歯の間で接着剤がはがれ、すき間ができ、虫歯になる場合も同じです。


長くなるので、一度切ります。
虫歯の進行を自力で止める3-2 ~新説「虫歯は金属腐食である」 ②に続きます。


関連記事
虫歯の進行を自力で止める3-2 ~新説「虫歯は金属腐食である」 ②
虫歯の進行を自力で止める3-3 ~新説「深い虫歯も重曹で治る」 ①

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生まれつきの軟便体質が劇的に解消した方法 ② ~実践の工夫と結果、および注意点

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お勧め度・・・★★★

生まれつきの軟便体質が劇的に解消した方法 ① ~方法と効く仕組みの続きです。


1. 摂り方の工夫


私は玉ねぎはみじん切りにするのが面倒なので、スライスして小さいタッパーに入れ、そこに酢を注いで酢玉ねぎにして、納豆とは別に食べます(もちろん納豆と混ぜて食べても構いません)。
カレーやシチュー、その他、色々なおかずの付け合せにぴったりです。

玉ねぎを食べても酢は余るので、タッパーのまま冷蔵庫で保存します。
この酢は玉ねぎ風味になっているので、翌日、納豆に添付のたれと一緒に入れて混ぜると美味になります
私はこの食べ方をすることで、生まれて初めて、納豆を「美味い」と思うようになりました。
普段納豆を食べられない関西人も、この方法で食べると「美味い」と言うらしいです。

それでも「納豆はちょっと……」という方は、たれを入れて混ぜてから、うどん、そば、ラーメン、味噌汁などに入れてみてください(入れる前にわざわざ混ぜるのは、納豆菌を増殖させるためです)。

さらに言えば、カレーやシチューに入れるという手もあります。
「げー」と思われるでしょうが、意外と普通に食べられます。スパイスによって納豆のニオイが飛んでしまうので、ちよっとぬるついただけの単なる豆になります。
実際、CoCo壱番屋のメニユーには納豆カレーがあります。

また、スパゲティのミートソースに入れても問題ありませんでした。
人によっては、もしかしたら無理かもしれませんが、良かったらお試しください。

また、酢が苦手な方は、酢の代わりにハチミツ(またはローヤルゼリー)でも構いません。
前の記事で述べたように、この方法が効く理由の一つは、酢に含まれるグルコン酸の働きですが、ハチミツには酢と同じくらい(ローヤルゼリーにはそれ以上)グルコン酸が含まれるからです。
 参照⇒グルコン酸の豆知識 扶桑科学工業



2. 管理人による実践結果


私の場合、この方法で効果が出始めるには大体1週間ぐらい、また、軟便を完全に克服したと実感するのに3~4週間ぐらいかかりました(個人差があると思います)。

効果としては、以下の三つがあります。

① 便が硬化する


便が硬くなります。しかも、いわゆる健康的な便とされるバナナ状の便です。
特に調子の良いときは、糞体の終端部が尻門からスポッと抜けるように出て、紙で門を拭いてもほとんど何もつかないこともあります。いわゆる快便というやつです。
また、そういうときは便の表面がツルンとしているので、便器にこびりつきません。

② 便意を我慢しやすくなる


「陣痛」から「出産」までの猶予が長くなります
「陣痛」が起こってから、便意を抱えたまま買い物に出かけて、外でトイレに行かずに1時間ほどして帰ってくる、などという芸当もできたりします。
軟便だと、こんなことは到底できません。

さらには、便意があるまま、夜寝て朝起きると、便意が消えているということも何度かありました。
ただし、これをやると、起きたあと日中に便意が起こっても、なかなか出ないという事態になります。トイレで5分も10分も気張って、やっと出る、という感じです。

ここまでくると、ほとんど便秘です。実際、排便の回数は2~4日に1回ぐらいまで減ります。
その程度の頻度で大丈夫かと思われるかもしれませんが、以前、内科の医師に、私ぐらいの年齢(当時42歳)なら毎日出す必要はないと言われたことがありますので、若い人でなければ問題ないでしょう。

③ 便臭の改善


便のニオイが変わります。「ウンコにしては臭くないな」という感じで、普通の便臭とはかなり違う、健康な便のニオイになります。例えて言うと、バキュームカーのニオイに近い感じです。

上に述べたバナナ条の形といい、そんなに臭くないニオイといい、この方法で出る便は、実にクールでカジュアルで洗練されています。
これはまさしく、排便界(←?)のニューウェイヴであり、ポストモダン(?)です。

なので、「大便」などという重々しい呼び方ではなく、もっとライトでポップな名前で呼んでやりたくなります。例えば、
「ビッグ・ベン」とか
「ブラウン・ベニー」とか
「ソリッド・ステイト・ブラウニー」
とか(『ソリッド・ステイト』とは『固体状態の』という意味です。また、ここで言うブラウニーはケーキのbrownieではなく、browny〔茶色ちゃん〕です)。

このように、納豆、酢、玉ねぎの同時摂取は排便ライフ(?)に革命をもたらします。軟便だった人は、生活苦の一つが解消したことを実感できることでしょう。
変なものを食べない限り、今後の人生で茶歴史に見舞われる危険は、極めて低くなること間違いなしです。
皆さんもぜひお試しください。



3. 注意点


① やりすぎると……


一応、私の場合ですが、あまりこの方法をやりすぎると、しまいにはソリッド・ステイト・ブラウニーが出なくなります
ある日のこと、トイレで気張っても一向にソリッド・ステイト・ブラウニーが出てくれません。便意はあるのに、直腸で止まったまま、完全に籠城してしまいました。
仕方なく、使い捨ての薄い手袋を手にはめて、指を桃の御門内に強行突入させ、ソリッド・ステイト・ブラウニーを逮捕して外に引きずり出すハメになりました。

そこまでいかなくても、ソリッド・ステイト・ブラウニーが太くて硬いので、出すときに尻門が切れるのではないかと不安になることがあります。実際、それが切れ痔の原因になることもあるそうです。

このような場合は、納豆や酢玉ねぎを食べる量や回数を減らしたり、何日か中断するなどして、調整してください。
私は、ソリッド・ステイト・ブラウニー籠城事件までは納豆(45g入り)を1日1パック食べていました。現在は半パックを1日に1回、酢玉ねぎは毎日1回摂取で安定しています。

② 変なものを食べると……


この方法を実践していても、体質に合わないものや腐ったものを食べると、ソリッド・ステイト・ブラウニーが軟化します
たいていは一時的なもので終わりますが、私の場合、チョコ菓子を毎日たくさん食べると、ソリッド・ステイト・ブラウニーが軟化したまま元に戻らなくなったことがありました。
状態としては「ソフト・クリームド・ブラウニー」という感じです。と言っても別に冷たくはありませんが(←冷たかったら怖いわ!)。

これに対しては、朝起きてすぐに水で口をゆすぎ、うがいをするという方法をとってみました。
睡眠中は口内細菌が大量に増えます。口内細菌の中には腸内環境に悪影響を与えるものもありますから、起床後は飲食の前に口ゆすぎとうがいで菌を排出してしまおうと考えた訳です。
 参照⇒【軟便対策】 これだけは、やってはならない (当ブログ記事)

すると、2~3日でソフト・クリームド・ブラウニーの状態が改善に向かい、硬化に成功しました。思惑通り、腸内環境が改善されたようです。
それ以降、2年半ほど経ちますが、ソリッド・ステイト・ブラウニーは硬いまま安定しています。

皆さんも参考にしてください。


関連記事
生まれつきの軟便体質が劇的に解消した方法 ① ~方法と効く仕組み
【軟便対策】これだけは、やってはならない

[ 2017/09/17 01:04 ] 内臓の病気 | TB(0) | CM(-)

虫歯の進行を自力で止める2-8 ~キシリトール

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お勧め度・・・★★☆(管理人によるキシリトールの使用結果については、虫歯の進行を自力で止める4-1 ~進行を遅らせた実践例 ① 〔掲載予定〕でご紹介します)

虫歯予防といえば、キシリトールが有効なのは、ほぼ常識と言って良いでしょう。
では、そのキシリトールは、できてしまった虫歯の進行を阻止する効果はあるのでしょうか。


1. キシリトールの効能


キシリトールによる虫歯抑制効果としては、主に以下の四点が挙げられます。

① キシリトールとカルシウムの複合体が歯の硬組織中に進入することで歯の再石灰化を促進し、歯を硬くする。

② 歯垢の中に存在する、ショ糖を分解する酵素(シュクラーゼ)の活性を低下させ、歯垢の中で酸が出来にくくする。

③ 虫歯のきっかけをつくるミュータンス菌に取り込まれても、一般の糖類と違って酸を作らせず、またミュータンス菌のエネルギーにならずに、これを消耗させるだけなので、ミュータンス菌が減少する

④ 口の中にあるミュータンス菌の1割を占める、キシリトールを取り込まないタイプのミュータンス菌(キシリトール非感受性菌)が、キシリトールの常用によって増加し、3ヶ月経つと9割となる。
この菌は酸の産生が少なく、また歯垢の元となる不溶性グルカンを作らないため、歯垢の量が減り、また歯垢の粘着性が低くなるため、歯ブラシで除去しやすくなる。

 以上、①から④まで、参照⇒キシリトール|キシリトール基礎講座|日本フィンランドむし歯予防研究会

また、④に関連して、
「歯垢の減少を目的とした臨床実験の結果、キシリトールガムを一日に3~4回噛んだ園児グループは、キシリトールガムを噛んでいない園児グループより、開始から6ヶ月後には歯垢の量が約1/3であるという結果が得られました」
と言われています。
 引用⇒キシリトールってどうなの? (犬飼歯科)

ちなみに②に関して、シュクラーゼはそもそも歯垢の中ではなく虫歯菌の中にあるものではないかと思いますが、そのような説明は見当たりませんでした。
調べた限りでは、どの歯科医師のサイトにも、シュクラーゼは歯垢の中にあるものとして書かれていました。
しかし、虫歯菌とは別に、糖類を分解する酵素があるというのは不可解です。その酵素は一体どこから来たのか。
これについては、機会があればまた調べてみます。



2. キシリトールで虫歯の進行を止められるか


上に挙げた効能のうち、①の歯の再石灰化は表層の脱灰(初期虫歯)に対するものです。
すでに進行した虫歯や、象牙質の再石灰化が可能とする専門家の指摘は見当たりませんでした。

また、③のミュータンス菌の減少効果はあっても、ミュータンス菌は主に虫歯のきっかけをつくるものです。できた虫歯を進行させるラクトバチラス菌の減少効果は、キシリトールにはないようです。
 ラクトバチラス菌に関しては、参照⇒ラクトバチラス菌とその対策について(若島歯科医院)

④の歯垢の粘着性を低下させる効果も、歯の詰め物の裏など、歯ブラシの毛先の届きにくい場所にある歯垢については、あまり意味がないかもしれません(管理人の見解です)。

一方、②の歯垢内での酸産生の抑制効果は、進行した虫歯に対しても有効でしょうし、また、④について、ミュータンス菌は歯垢の中にも存在して歯を脱灰させるので、これを減らすことで虫歯の進行をある程度抑えることは出来そうです(管理人の見解です)。

しかし、やはりラクトバチラス菌に対する殺菌もしくは減少効果や、象牙質の再石灰化などの効果がないので、虫歯の進行を止める手段としては補助的なものになりそうです(管理人の見解です)。

ですので、ガムを噛むのが好きな方は、他の記事でご紹介したMIペーストやクリニカクイックウォッシュ、或いはシステマEXなど殺菌作用のある製品の補助として、キシリトール入りのガムを噛むと良いかと思います。
或いは、キシリトール入りの洗口液を使用するのも良いでしょう。



3. キシリトール摂取の方法


キシリトール100%配合のガムを1日5粒、1回5分間噛み続けて50%の虫歯予防効果があるとされています。
また、キシリトールの配合率が50%以下だと、虫歯菌は逆に増えるそうです。
 参照⇒キシリトール特集 | 小樽 熊澤歯科クリニック

キシリトール100%のガムは歯科専用とされていますが、ネットで購入できます。

摂取量や回数については、一日4~8粒を一日3~4回に分けてとか、噛む時間も20分必要とか、色々な見解があります。
 参照⇒歯科専用のキシリトールガムは効果大/市販品との違いは? (辰巳 光世氏〔歯科衛生士〕)
 ⇒しまだ歯科こども歯科クリニック

また、キシリトール成分が溶けだした唾液を口の中に5分以上溜めておくと、効果が期待できるとされます。
 参照⇒虫歯予防に役立つ!キシリトールの効果的な食べ方と選び方 (鎌田 瑞乃氏〔歯科衛生士〕)



4. キシリトール摂取のタイミング


キシリトール摂取のタイミングについては、その効能から考えると食前がベストかと思われます(管理人の見解です)。

その理由は、以下の二点です。

① 歯垢の中に存在する、ショ糖を分解する酵素の活性を、食事の前にあらかじめ低下させておくことで、食事中のショ糖の分解とそれによる酸の産生を抑えることができる。

② 食事の前にあらかじめミュータンス菌に取り込ませることで菌を満腹の状態にし、食物に含まれる糖類の取り込みとそれによる酸の産生を抑止できる。

上記①に関して、もしキシリトールを摂るのが食後だと、すでに食事によって酵素が働いて脱灰している状態ですから、ここで酵素の活性を下げても意味は薄くなります。

また②に関して、ミュータンス菌は、口の中に食物が入った瞬間に糖を分解して酸を出すとされています。
 参照⇒虫歯治療|奈良の歯医者 薬師寺歯科・矯正歯科

つまり、ミュータンス菌は食事の最中にすでに糖類を取り込んでいるので、食事の後にキシリトールを摂っても、菌への取り込みは緩慢になるのではないでしょうか。

これと同じ指摘は見当たりませんが、理屈は通っている筈です。
参考にしていただければと思います。



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上記以外の虫歯関連の記事へは、全記事一覧から飛んでください。
お手数をおかけして申し訳ございません。「大人の事情」です。


[ 2017/09/15 00:52 ] 歯の病気(虫歯) 虫歯 製品編 | TB(0) | CM(-)

アロマセラピーで認知症を改善できるか ② ~重度の症状も改善

当ブログを初めて閲覧される方は、まずこちら↓をお読みください。
ご注意 (必ずお読みください)

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ここから記事本文です。

アロマセラピーで認知症を改善できるか ① ~期待が持てる実験結果の続きです。


1. 重度の認知症でも周辺症状の改善には望みあり


あるブログの管理人さんは、自分の母親(重度のアルツハイマー病患者)に浦上教授の方法でアロマセラピーを試した結果、認知症の中核症状(記憶・見当識・判断力など知的機能の障害)には、全く効果がなかったそうです。

ただ、この患者さんは、夜の就寝後、不安や妄想、興奮など認知症の周辺症状のため一晩に4~5回も起きていたのが、アロマを使うと熟睡して起きなくなったと言います(最近では周辺症状を『行動・心理症状(BPSD)』とも言います)。

なので、
「認知症の周辺症状の改善には、進行した認知症の状態でも、ある程度の改善は期待できるのではないかと思いました」
と管理人さんは述べています。

 参照と引用⇒アロマテラピーで認知症を予防!すぐに見られる効果もあった!?

前の記事の冒頭で触れた、認知症患者による暴力、暴言などは周辺症状に属します。
上の事例で、アロマセラピーが脳の興奮などを抑制したのであれば、同じく脳の興奮で引き起こされる暴力や暴言などの症状にも、大なり小なり有効であることを示唆するのではないでしょうか(当ブログ管理人の意見です)。



2. もう一つの実験


一方、2011年に、琉球大学の研究チームが、浦上教授が用いたのとは別のオイルで、アロマセラピーの対認知症効果を検証しています。

この研究は、アルツハイマー型の患者16人を含む32人(うち5人が中途で脱落)の認知症高齢者に対し、14日間行われました。

使われたオイルは、ラヴィンツァラ、スパイクナード、リトセアの3種類の精油(各0.9cc)をファーナスオイル(希釈用オイル)(130cc)に入れ、2%に薄めたブレンドオイルです。
これを1ml、毎日13~14時に患者の両肩と背中に塗布するという方法がとられました。

塗布法の主な利点について、同チームは、

・ディフューザー(芳香器)を使った場合は、対象者とディフューザーの距離の違いによって、吸い込む芳香成分の量に違いが生じる
・ 肌に塗る方法なら、皮膚表面から体内に浸透することで、ディフューザーを使う場合より多くの有効成分を吸収することができ、それに加えて、塗るときにも鼻から吸入された成分が脳へ直接送り込まれる

などの点を挙げています。

 参照⇒知念紫維菜他「アロマテラピーを活用した認知症高齢者の日常生活動作能力, 認知機能, および行動・心理症状に及ぼす影響に関する実証的研究」(『琉球医学会誌』31〔1-2〕、2012年)42-43、45頁。



3. 重度の認知症の中核症状が改善


検証の結果、対象者全体で生活上の行動範囲の拡大が見られました
これは、例えば寝たきりの人の生活範囲は寝床の上だけですが、そこから寝床周辺や室内へ、また屋内だけで生活していた人は、屋外或いは近隣などへと拡がるということです。
また、重度の患者の見当識と排便コントロールが改善したとしています。
一方、行動・心理症状については変化はなかったとしています。
 参照⇒知念他、前掲論文、45頁。

同チームは、この結果について、
「香りの刺激によって情動や記憶を司る扁桃体や海馬、視床下部、視床、大脳基底核の血流が増加することが報告されている」
と述べています。
 引用⇒知念他、前掲論文、47頁。

前の記事の冒頭で述べたように、失禁は介護者の大きな負担であり、アロマセラピーによってこれが緩和されることが期待されます。

また、見当識の改善は、介護者や家族の精神的負担の緩和に寄与するので、これも注目に値する結果と言えましょう。

また、この実験での症状の改善がアルツハイマー型に限定されず、脳血管型や混合型の患者にも見られたことも、極めて重要な点です。



4. 出てこない実践例


前の記事で挙げた、重度の患者さんにアロマセラピー(浦上教授の方法)を試した事例では、中核症状には効かなかったようですが、浦上教授の実験でも効果があったのは軽~中度なので、理屈の上では、重度の患者で改善しないからといって悲観する必要はないということに、一応はなります。

ところが、ネット上で今回調べた限りでは、すでに引用したテレビ番組での実験以外では、浦上教授の方法で軽~中程度以下の患者の知的機能が回復したという実践例を拾うことはできませんでした(もっとも、中程度以下の患者に効かなかったという例も出てきませんでした)。

2005年の実験から12年も経つというのに、追試的な臨床試験はおろか、上に引用したブログを除いて、一般人による実践報告すらありません(『効いた』という報告も『効かない』という報告も)。

また、琉球大学の研究結果は、重度の認知症の中核症状に対するアロマセラピーの可能性に期待を抱かせるものです。
しかしながら、浦上教授の方法と違ってテレビでは取り上げられていないせいか、この研究と同じ方法での実践例は、ネット上では見当たりませんでした。
研究者による検証報告も見つかりません。

これでは、どちらの方法も本当に効果があるのか、少々不審に思わざるをえません。
これは一体、どう考えれば良いのでしょうか。


アロマセラピーで認知症を改善できるか ③ ~効果が出ないときの対策と注意点に続きます。


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アロマセラピーで認知症を改善できるか ③ ~効果が出ないときの対策と注意点