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虫歯の進行を自力で止める3-1 ~新説「虫歯は金属腐食である」 ①

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ここから記事本文です。

虫歯とは、虫歯菌のつくる酸によって歯が脱灰することであるというのが現在の歯科医学の常識です。
ところが、近年、これを否定する重要な新説が提示されています。それによると、虫歯とは酸による脱灰ではなく金属腐食であると言います。

この説を提唱者しているのは開業歯科医師のI氏です。ただし、実名は分かりません。
この記事では、I氏の新説である金属腐食説をご紹介します。

参照サイトは、全てI氏のブログ「I歯科医院の高楊枝通信。」です。


1. 歯は金属であり、金属は腐食する


I氏は、実験の結果、歯は、虫歯菌が産生するpH3~4程度の酸によって溶けることはなかった、と言います。
 参照⇒酸で歯が溶ける? (2)  (括弧内の数字はブログへのコメント数。以下同)

また、そもそも歯はリン酸とカルシウム(アルカリ土類金属)で構成される金属の一種であり、電導性を有する物質である、とI氏は言います。
I氏は歯に電極を取り付け、pH2の塩酸中に入れて通電することで、これを確認しています。

そしてI氏は、虫歯とは金属腐食と同じ電気化学的腐食である、と言います。
金属腐食とは、金属Mから電子e-が奪われ、電子e-を奪われた金属MはM+(金属イオン)となって溶出する、という現象です。
I氏はこの説を「虫歯の電気化学説」と呼んでいます。

金属腐食には「酸素消費型腐食」と「異種金属接触腐食」の二つがあります。
そして、「酸素消費型腐食」は「微生物腐食」と「すき間腐食」の二つに細分されます。

 参照⇒虫歯の原因と予防法のまとめ
    ⇒虫歯の原因とその電気化学的メカニズム (2)



2. 微生物腐食 ① 酸素呼吸


微生物腐食としての虫歯では、虫歯菌ないし口内細菌による、二つの作用が虫歯を発生・進行させます。
その一つ目は、酸素呼吸です。

バイオフイルムの中では細菌が酸素呼吸をしているので、酸素濃度が低くなります。
そのため、バイオフイルムの深い所と表面に近い所との間で酸素濃度の差(酸素濃度勾配)が生じます。

このとき、
酸素濃度が高い方が陰極となり電子e-を奪い、
酸素濃度が低い方が陽極となり電子e-を奪われ溶出(腐食)する
とされます。

そして、陽極と陰極の間では「局部電池」が形成され、電子e-の流れと逆方向に電気が流れます。
この現象は「通気差腐食」とか「濃淡電池」と呼ばれ、古くから知られています。

つまり、歯の表面で細菌が酸素呼吸をすることで、酸素濃度の低くなった所のカルシウムが高い所から電子e-を奪われ、カルシウムイオンとなって溶け出すことになります。

参照ページは次項に記載します。



3. 微生物腐食 ② 酸の生成


虫歯菌ないし口内細菌が、微生物腐食としての虫歯を発生・進行させる二つ目の作用は、酸の生成です。

虫歯菌は糖類を分解して酸を生成します。酸とは、水に溶けて水素イオンH+を放出する物質です。

ところで、通気差腐食の際、酸素濃度の高い場所で起こっている化学反応は、
O2+4H++4e-→2H2O  ~1式
O2+2H2O+4e-→4OH- ~2式
となります。
H+があると、上記の1式の反応が進みます。

つまり、細菌の呼吸による通気差腐食のさい、虫歯菌によってつくられる酸が腐食を促進する<、ということです。

 以上、微生物腐食につき、参照⇒虫歯の原因と進行を止める方法
 ⇒虫歯の原因とその電気化学的メカニズム (2) (前掲ページ)
 ⇒虫歯は金属腐食の一形態4

I氏は、微生物腐食としての虫歯を以上のように説明しています。

ただし、当ブログ管理人の考えでは、電子を奪うのはバイオフィルムの表面付近ではなく、歯の表面でバイオフィルムの少ない(または無い)場所ではないかと思われます。
後者は前者よりさらに酸素濃度が高くなるためです。

この場合、バイオフイルムの多い(またはある)場所と少ない(または無い)場所との間で局部電池が形成されます。
そして、バイオフィルム内外の虫歯菌がつくった酸、または酸性の飲食物の酸が、そこで酸素および電子と結合するものと思われます。
実際、I氏のブログにも、このことを示す説明と図が載っています。
 参照⇒ほんとうの虫歯の発生メカニズム



3. すき間腐食


さて、ここまでなら、口内細菌の活動によって虫歯が発生・進行するという点で、通説とこの金属腐食説との間で大きな違いはありません。

しかし、金属腐食説によると、すき間腐食や異種金属接触腐食のような場合は細菌がそこに付着していなくても虫歯が発生・進行する、とされます。

すき間腐食とは、金属の表面にできた細い溝や小さな穴の奥と外で酸素濃度差が生じることによって、局部電池が形成され、溝や穴の中で起こる腐食です。
酸素濃度差が生じるのは、一般に酸素濃度はすき間の奥ほど低い傾向があるためです。

このような腐食は細菌がなくても起こりますが、すき間の中に細菌が付着すると、細菌の呼吸によって酸素濃度差が大きくなり、腐食がより促進されます。

 参照⇒ほんとうの虫歯の原因(酸で歯が溶ける?その4)
 ⇒虫歯の原因とその電気化学的メカニズム (2) (前掲ページ)

虫歯の場合で言うと、「咬合面の小窩裂溝ウ蝕」と言って、歯の噛み合わせの面や、歯の側面にある溝やくぼみにできた虫歯が下に深くなっていくのが、このパターンです。
また、詰め物と歯の間で接着剤がはがれ、すき間ができ、虫歯になる場合も同じです。


長くなるので、一度切ります。
虫歯の進行を自力で止める3-2 ~新説「虫歯は金属腐食である」 ②に続きます。


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お手数をおかけして申し訳ございません。「大人の事情」です。

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