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虫歯の進行を自力で止める3-3 ~新説「深い虫歯も重曹で治る」 ①

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お勧め度・・・★★★

虫歯の進行を自力で止める3-2 ~新説「虫歯は金属腐食である」 ②の続きです。

「虫歯の電気化学説」を唱える歯科医師のI氏が、虫歯の対処法として勧めるのは重曹を使った洗口です。
しかも、重曹洗口なら深い虫歯でも修復して治すことができる、と言います。

この記事では、重曹洗口についてのI氏の見解をご紹介しますが、その前に「虫歯の電気化学説」を簡単におさらいしておきましょう。

「理屈はいいから方法を早く知りたい」という方は、この記事の下の方にある「3. 重曹洗口と口内pH」をお読みください。
また、より詳しい方法を次の記事でご紹介します。

参照サイトは、全てI氏のブログ「I歯科医院の高楊枝通信。」です。


1. 「虫歯の電気化学説」の概要


「虫歯の電気化学説」では、虫歯は金属腐食であって、「酸素消費型(通気差)腐食」か「異種金属接触腐食」のいずれかとして起こる、とされます。
前者は「微生物腐食」と「すき間腐食」のいずれかとして、または複合として起こります。

微生物腐食の虫歯では、細菌の呼吸により、バイオフィルムの深い所と表面に近い所(またはバイオフィルムが多い所と少ない所)との間で酸素濃度の差が生じます。
そして、酸素濃度が高い所は、低い所からカルシウムの電子e-を奪います。
電子を奪われたカルシウムは陽イオン化(Ca+)して溶出(腐食)します。

この反応の際、虫歯菌が生成した酸(水素イオンH+)があると、酸素濃度の高い場所で起こっている化学反応(O2+4H++4e-→2H2O)が促進され、その分、カルシウムの溶出も早まります。

すき間腐食の虫歯は、歯の表面にできた細い溝や小さな穴の奥と外で酸素濃度差が生じることによって起こります。これは、一般に酸素濃度はすき間の奥ほど低い傾向があるためです。
この腐食は細菌がなくても起こりますが、ここに細菌が付着すると、細菌の呼吸によって酸素濃度差が大きくなり、腐食がより早まります。

異種金属接触腐食とは、電気が流れやすい状況で、異なる金属を接触させた場合、電位の低い金属が電子を放出し、陽イオン化して腐食する現象です。

これには、象牙質が虫歯や歯ぐき下がりなどで露出したとき、エナメル質は溶けずに象牙質だけが溶ける場合と、歯と詰め物の金属との間の電位差によって歯が溶ける場合とがあります。
この腐食は、水素イオンのある酸性環境下でのみ起こります。



2. 重曹洗口が虫歯に効く仕組み



① 虫歯を止めるための要件


虫歯の発生・進行の仕組みが上のような金属腐食によるものであるとすると、これを止めるために必要なことは、

A 細菌の呼吸を抑制する(→酸素の濃度差を緩和する)
B 細菌による酸の生成を抑制する(→酸素濃度の高い場所で起こる化学反応を抑え、また異種金属接触腐食としての虫歯を防ぐ)
C 細菌の生成した酸、および飲食物に含まれる酸を中和し、口内環境をアルカリ性にもっていく(同上)

の三つとなります。
 
そして、この三つを同時に実現するのが重曹の水溶液による洗口である、とI氏は説きます。
その理由は、以下の通りです。


② 口内環境のアルカリ化


重曹を水に溶かすと電離してナトリウムと炭酸水素イオンになります。
NaHCO3 → Na+ HCO3-

そして、炭酸水素イオンは酸(水素イオンH+)と結合してこれを中和し、最終的に水と二酸化炭素になります。
HCO3- + H+ → H2CO3 → H2O(水)+ CO2(二酸化炭素)

水素イオンH+を受け取る(または水酸化物イオンOH-を放出する)物質を塩基と呼びます。
塩基の溶けた水溶液が示す性質をアルカリ性と言います。

つまり、重曹を水に溶かすとアルカリ性の水溶液となるため、これで洗口すると酸が中和され、口内環境がアルカリ性になるということです。
これで、まず上記Cが達成されます。

ちなみに、もともと唾液にも炭酸水素イオン(を含む重炭酸塩)が含まれていて、酸を中和する働き(緩衝能)があることは歯科医学の常識です。
ところが、上で見たように重曹も炭酸水素イオンを含むわけですから、重曹で口をゆすげば緩衝能が高まるはずですが、どういうわけか誰もこのことに気づかなかったようです。


③ 虫歯菌の活動抑制と歯の再石灰化


次に、虫歯菌の解糖酵素が効率よく働くpHは低いので、pHが高いアルカリ性環境下では酵素の活性が低下します。
その結果、酸の生成と、それにともなう呼吸による酸素の消費も抑制されます
これで、AとBも達成されます。

さらに、唾液中のリン酸イオン、カルシウムイオンは、pHが高いときは過飽和になるため、再石灰化も起こり易くなります。 

 参照⇒重曹が虫歯に効くワケ (67) (括弧内の数字はブログへのコメント数。以下同)
 ⇒虫歯の原因とその電気化学的メカニズム(2)
 ⇒酸で歯が溶ける?その2

以上をまとめると、重曹洗口によって、
・細菌や飲食物による酸の中和(=口内環境のアルカリ化)
・細菌による酸の生成と呼吸の阻止 
再石灰化の促進
の全てが一挙に達成されるということです。
 
このような根拠から、I氏は飲食後はすみやかに重曹を水に溶かして口をゆすぐことを推奨しています。



3. 重曹洗口の方法と口内pH



① 方法


I氏の推奨する重曹水は、水500mlに重曹3gを溶かして作ります(洗口のつど、一回分ずつ作っても可)。
 参照⇒重曹が虫歯に効くワケ (67)

これを口に含み、グチュグチュとゆすぐ、たったこれだけです。
次の記事でご紹介しますが、たったこれだけで、象牙質に達した虫歯まで治ってしまうという、奇跡の方法です。
ただし、歯磨きや食習慣など、虫歯の進行を止めるための基本の方法を全て守った上での話です。重曹洗口だけで、虫歯が治るわけではありません。
 参照⇒虫歯の進行を自力で止める1-3 ~知らないとヤバい基本の方法 ①
 ⇒虫歯の進行を自力で止める1-4 ~知らないとヤバい基本の方法 ②

 また、体質的に虫歯になりやすい人は、重曹洗口に加えて、MIペーストやアパガードを併用して再石灰化を強化したり、パーフェクトペリオやシステマEXで虫歯菌を殺菌したり、クリニカクイックウォッシュで歯垢を分解すると良いかと思います。


② 重曹水のpH


理屈に戻りますと、重曹水と唾液ではどちらが炭酸水素イオンが濃いかというと、I氏の計算では2.23倍~9.07倍、重曹水が濃いそうです。
 参照⇒唾液中のHCO3(重曹成分)の濃度は? (2)

これだけの差があれば、体質的に唾液の少ない人の緩衝能を補って余りあると言えるでしょう。

そして、この重曹水のpHは8.0前後です。
 参照⇒脱灰と再石灰化のメカニズムは神話?

I氏は、この重曹水で洗口すれば、
瞬時にpHは上がる=電気が流れない=歯が溶けるのが止まる=再石灰化が始まる
と述べています。
 引用⇒電気化学的虫歯予防法 (8)


③ 唾液との比較


この「瞬時にpHは上がる」と言う点は重要です。
普通、唾液内の炭酸水素イオンによって歯垢内pHが臨界の5.5を回復するには食後数十分かかるとされています。
ところが、重曹洗口なら一気に酸が中和されて、多分pH6.0~7.0前後(?)になるわけですから、脱灰が数十分短縮され、再石灰化が早く起こることになります。
またpHが高いことで、再石灰化の度合いも強化されます。既に見たように、再石灰化はアルカリ性環境の方が起こりやすいためです。
 
ちなみに、唾液のpHを決める最大の要素は唾液の分泌量とされています。安静時は6.8くらいですが、食事や会話などで唾液腺が刺激され、分泌量が増えると7.5~8.0くらいになります。
 参照⇒唾液の成分やPH、食事との関係について (歯チャンネル88)

これは重曹水に迫る数値ですが、食事で唾液が増えても口をゆすげるほど多く出るわけではありません。
特に虫歯の穴の中は歯の表面よりも唾液が接しにくく(上の歯はなおさら)、しかも食べ物のカスが入り込んでいたり、糖類の溶けた唾液が満ちていたりします。
そうなると、穴の中に炭酸水素イオンを送り込むには、ゆすぐという作業は不可欠と思われます(当ブログ管理人の推測です)。
従って、口や歯垢の中をアルカリ性に傾けるには、やはり重曹洗口が唾液に大きく勝ると言えましょう。

仮に、金属腐食説が間違いで、定説の通り、虫歯は酸によって歯が溶ける現象であるとしても、重曹洗口なら酸を直ちに中和し、再石灰化を促すので、虫歯の予防や進行の阻止に効果があるのは間違いないと考えられます。

 
長くなるので、一度切ります。
虫歯の進行を自力で止める3-4 ~新説「深い虫歯も重曹で治る」 ②に続きます。


関連記事
虫歯の進行を自力で止める3-1 ~新説「虫歯は金属腐食である」 ①
虫歯の進行を自力で止める3-2 ~新説「虫歯は金属腐食である」 ②

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お手数をおかけして申し訳ございません。「大人の事情」です。
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