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新説「深い虫歯も重曹で治る」② ~唾液より重曹水が有利(虫歯の進行を自力で止める3-4)

新説「深い虫歯も重曹で治る」① ~効く仕組み(虫歯の進行を自力で止める3-3)の続きです。


歯科医師のI氏が勧める重曹洗口は、重曹を溶かした水を口に含み、グチュグチュとゆすぐだけです。
次の記事で詳しく書きますが、I氏によると、たったこれだけで、象牙質にまで達した虫歯まで治ってしまうという奇跡の方法です

ただし、この方法だけで効くわけではありません。虫歯を予防(および進行を阻止)する基本の方法を守ることが、前提条件となります。
 参照(当ブログ記事)⇒虫歯の進行を自力で止める1-3 ~知らないとヤバい基本の方法 ①
 ⇒虫歯の進行を自力で止める1-4 ~知らないとヤバい基本の方法 ②

ところで、重曹洗口が酸の中和や再石灰化の促進に効果があると言っても、唾液も同じ働きをすることは常識です。
同じ働きをするのに、唾液では止められない虫歯の進行を、重曹洗口はなぜ止められ、治してしまうのでしょうか。

この記事と次の記事では重曹水と唾液を比較し、前者がなぜ虫歯に効くのかを考えてみます。


1. 重曹水のpH


I氏の推奨する重曹水は、水500mlに重曹3gを溶かして作ります(洗口のつど、一回分ずつ作っても可)。
 参照⇒重曹が虫歯に効くワケ (67)

そして、この重曹水のpHは8.0前後で、液性は弱アルカリ性です。
 参照⇒脱灰と再石灰化のメカニズムは神話?

pHとは水素イオン濃度指数を意味します。液体の中に水素イオンH+がどのくらい存在するかを示す単位です。
水のpHは中性の7.0です。pHの値が1増えると水素イオン濃度は1/10になりますから、重曹水の水素イオン濃度は水の1/10前後ということになります。

I氏は、この重曹水で洗口すれば、
瞬時にpHは上がる=電気が流れない=歯が溶けるのが止まる=再石灰化が始まる
と述べています。
 引用⇒電気化学的虫歯予防法 (8)



2. 唾液のpH


一方、唾液のpHは唾液の分泌量によって変わります。そして分泌量は条件によって左右されます。
安静時での通常の分泌量では、pHは6.8くらいです。一方、食事や会話などで唾液腺が刺激されると、分泌量が増え、pHは7.5~8.0くらいになります。
 参照⇒唾液の成分やPH、食事との関係について (歯チャンネル88)

この数値は重曹水に近いものです。しかし、食後、唾液内の炭酸水素イオンHCO3-によって歯垢内pHが臨界の5.5を回復するには数十分かかるとされています。
それに対し、重曹洗口なら一気にpHが上がるわけですから、唾液しかない場合より脱灰が数十分短縮され、そのぶん歯の溶ける量が少なくて済みます(なぜ重曹水なら一気にpHが上がるのかは、後で述べます)。

さらに、前の記事で見たように、歯の再石灰化が起こりやすいのはpHが高い状態です。この点でも、唾液より幾分pHの高い重曹水は有利と言えましょう。



3. 炭酸水素イオンの濃度

 
pHが高いということは、炭酸水素イオン(つまり塩基)の濃度が高いということです。
この点から重曹水と唾液を比較すると、I氏の計算では2.23倍~9.07倍、重曹水の方が濃いそうです。
 参照⇒唾液中のHCO3(重曹成分)の濃度は? (2)

これだけの差があれば、体質的に唾液の少ない人の緩衝能を補って余りあると言えるでしょう。



4. 量の違い


重曹洗口が中和を急速に達成する理由は、pHが少し高く、炭酸水素イオン濃度が高いことのほか、自然分泌される唾液より、はるかに多くの量で口内をゆすぐからであると考えられます。
量が多ければ、ある一定の時間内に歯垢の表面に触れる量も多くなり、それに比例して炭酸水素イオンも多く供給されます(当ブログ管理人の推測です)。

食事で増える唾液のpHは重曹水に近い数値ですが、口をゆすげるほど多く出るわけではありません。口に貯めておけばゆすげますが、普通は無意識に飲み込むので、唾液でゆすぐことはしません。
なので、本来の唾液の緩衝能は重曹に近くても、有効活用できていないのかもしれません。


新説「深い虫歯も重曹で治る」③ 虫歯にこそ重曹洗口が効く(虫歯の進行を自力で止める3-5)に続きます。

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新説「深い虫歯も重曹で治る」① ~効く仕組み(虫歯の進行を自力で止める3-3)
 
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お手数をおかけして申し訳ございません。「大人の事情」です。

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